2008年07月12日

祇園祭 鉾の曳き初めと山鉾町めぐり

祇園祭 鉾の曳き初めと山鉾町めぐり

京都の夏は 祇園祭 から始まります。1ヶ月にわたるお祭の期間の中でも、
特に賑わいを見せるのが山鉾建ての始まる7月10日から17日の巡行まで1週間。

そんなお祭気分真っ只中の7月12日(土)京都さんぽ「祇園祭・鉾の曳き初め」
が開催されました。
皆さん、この日を待ちわびていた様子で、集合場所では団扇を片手に
「暑いな~」と言いながらも、お顔は笑顔、笑顔。
参加者が40名と多かったこともあり、「山村先生チーム」と「若村先生チーム」の
二手に分かれて烏丸御池をスタートしました。
ここでは山村先生チームの散策の様子をご紹介させていただきますね。

烏丸御池を西に行くと衣棚(ころもだな)通に出ます。
この通りは豊臣秀吉の時代にできたもので、かつては名前の通り
お寺関係の衣を扱う店が軒を連ねていました。

平安京建設時、正方形に区画された町に、通りを1本通すことにより
商工業の活性化を目指したのだとか。
しかし、そんな秀吉も当時から既に発展していた地区には
手をつけなかった・・・それが現在、山鉾町となっている地区です。
こんなことからも祇園祭がいかに古くから、
民衆と関わりを持っていたかがわかります。

祇園祭 鉾の曳き初めと山鉾町めぐり

新町通に入ると、最初の見学地、 紫織庵 へ到着しました。
ここは大正15年に室町随一の豪商によって建てられ、現在は
襦袢のお店兼町家美術館として営業されています。洋館と和室が
調和した構造は当時としては非常に珍しいものだったそうです。

宵山の期間中、山鉾町の旧家や老舗では「屏風祭(びょうぶまつり)」
が開かれ、これも祇園祭の楽しみ方の一つなのですが、
もちろんこちらでも見ることができました。
町家のしつらえとともに見事な屏風や美術品を鑑賞し、
美意識の豊かさを感じながらも、町家の持つ涼しげな雰囲気に
しばし暑さを忘れ、ほっこり。

祇園祭 鉾の曳き初めと山鉾町めぐり

さて、次は 六角堂(頂法寺) へ向かいます。
ここは平安京建設以前からある長い歴史を持つお寺で、下京の町堂
として信仰を集めてきました。江戸時代には鉾の巡行順を決める
「くじ取式」もこちらで行われていたそうです。

六角堂の名前の由来は本堂が六角形であることからなのは
有名な話ですが、隣接するビルのシースルーエレベーター
(向かって一番左のみ)からはその姿を確認することができました。

祇園祭 鉾の曳き初めと山鉾町めぐり

再び、山鉾町へ戻った一行は、鯉山、山伏山、などの
町会所の説明を聞きながら外から見学し、産業会館前で一旦解散後、
それぞれお目当ての鉾の曳初に参加しました。

山や鉾は巡行当日は曳き手しか曳くことはできません。
しかしこの日は誰でも参加OK。「動く美術館」と呼ばれる山鉾を
間近で見ることができ、また、この綱を曳くと
1年の厄除けになると言われています。

祇園祭 鉾の曳き初めと山鉾町めぐり

この日は土曜日ということもあって、私が向かった 菊水鉾 には
たくさんの人がスタンバイされていました。

10トンもの大きな鉾を、しかも囃子方さんも乗っているのに、
事前練習なしで曳いて大丈夫なのかと少々不安でしたが、
正面に立つ音頭取りの合図で大きな鉾はギシギシと音をたてて
動き出しました。途中、障害物を避ける時も意外にも皆の息が合い、
ピッタリと止まったことに感動!!

山や鉾はこの曳初で不具合が見つかると、17日の巡行に向けて
修正をされるそうです。

祇園祭 鉾の曳き初めと山鉾町めぐり

再集合の後、皆さんそれぞれの曳初体験談に話を咲かせていると
なにやら細い(ホントに細い)道へ入って行きました。

ここは 膏薬図子 (こうやくずし)と呼ばれる図子(細い道)で、
かつてこの地に空也上人が平将門の霊を弔って道場を建てた
ことから、「空也供養図子(くうやくようずし)」と呼ばれていたのが、
いつのまにか「膏薬図子」となってしまったそうです。
クランクしながらも四条通から綾小路通までちゃんとつながる
風情のある道でした。

綾小路通で伯牙山の会所飾りが行われる 杉本家住宅 の説明を聞き、
綾傘鉾、鶏鉾の様子を見ながら四条烏丸に戻り、
この日の京都さんぽは終了となりました。


文/らくたび会員 森明子様  写真/らくたび会員 鴨田一美様



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Posted by らくたび  at 17:26 │Comments(0)祇園祭

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