2013年05月19日

5/12 新緑の下鴨神社「御蔭祭」見学と、吉田山・百万遍散策

5月12日のらくたび京都さんぽは、
下鴨神社で行われた神迎えの儀式御蔭祭を見学し、
新緑の吉田山百万遍知恩寺などを散策しました。

今回は百万遍の交差点から出発して、京都大学を抜け、
早速、吉田神社へとやってきました。


吉田神社でもちょうどお祭りが行われ、
地元の子どもたちによる吹奏楽の演奏があったり、
剣鉾も登場していました。


本殿に参拝をして、次に向かったのは菓祖神社
垂仁天皇のため、常世の国から不老不死になる果物を持ちかえった
タヂマモリと、饅頭を日本に伝えた林浄因が祀られています。


続いて、吉田山の山中へと入って行きます。
坂を登ると現れたのが「紅もゆる丘の花」の碑。
現在の京大につながる旧制第三高等学校の「寮歌」で、
山村先生を始め、皆さんで唱和しました。


石碑のほど近くから、竹中稲荷神社に入って行きます。
境内は紅葉や桜の隠れ名所ですが、この時期は新緑が見事に輝いていました!


神社の裏には「お塚」もあって、雰囲気が一変します。


その中にあるのが在原業平の業平塚
業平は吉田山に葬られたとする説があるそうです。


木々の緑が気持ちよい吉田山を進み・・・


大文字山が望める場所へとやってきました。
送り火を見るのもよさそうですね。


ちなみに竹中稲荷神社の辺りからも「」がはっきりと見えました。


一気に吉田山を下って、志賀越道に立つ白川大仏へとやってきました。
秀吉にまつわる伝説が山村先生から語られます。


今出川通を進むと、京大の近くに後二条天皇陵があります。
後二条天皇は後醍醐天皇の兄で、当時の時代背景が語られました。


そして百万遍知恩寺へ。スタート地点の近くです。


墓地には、法然上人(円光大師)の御廟が。
この鳥居のような門は「」の字を表していますよ。
近くには、家康の忠臣・鳥居元忠のお墓もあります。


知恩寺から東大路、そして御陰通を経て、下鴨神社へとやってきました。
糺の森の新緑も素晴らしいの一言です!


御蔭祭の行列を待つ間、河合神社に参拝しました。
最近になって境内が綺麗に整備されました。
かりんの美人水も頂けますよ。


しばらくすると、御蔭祭の行列が進んできました。
朝に下鴨神社を出発して、比叡山麓の御蔭神社で新たな神を迎え、
再び隊列を整えて下鴨神社へと戻ってきます。
神は馬に乗せられて、進んでいきました。



行列は糺の森に入り、中ほどの「切芝」と呼ばれるやや広い場所で、
切芝神事を行います。糺の森の精霊と新たな神がご覧になるのが、
東遊(あずまあそび)。枕草子でも「いとおかし」と­評された優雅な舞です。
運よく人の間から見ることが出来た方も多かったのではないでしょうか。



今回は、吉田神社から吉田山の新緑の中を散策し、
見どころの多い知恩寺を経て、下鴨神社の御蔭祭と、
歴史や風景、祭事まで様々な京都の表情を楽しんで頂けたのではと思います。

多くの方にご参加いただきまして、ありがとうございました。


                                  ご案内 / らくたび代表・山村 純也
                          受付・添乗・文・写真 / らくたびレポーター・吉村 晋弥
  


Posted by らくたび  at 22:40岡崎~吉田山エリア

2012年07月08日

6月30日(土)3社の茅の輪くぐりと東山さんぽ

6月30日(土)のらくたび京都さんぽは、ちょうど1年の半分を迎える日ということで、
東山を代表する3つの神社で茅の輪をくぐり、半年間の穢れを払いながら、
周辺に隠れる歴史スポットや知られざる社寺をめぐりました。

出発は八坂神社の西門から。今回も大勢の方にご参加頂きました。



八坂神社には蘇民将来(そみんしょうらい)を祀る疫神社もあります。



7月に行われる祇園祭は八坂神社の厄除けのお祭り。
八坂神社の裏にある絵馬殿には、なんと!らくたびオフィスのある、
郭巨山町が奉納した大きな絵馬もあります。山村先生がぬかりなくご紹介されていました!


八坂神社は本殿と拝殿が一つの屋根で覆われている祇園造が特徴です。
山村先生がその境目を指差し解説中です!



さて、本日1つ目の茅の輪くぐり。左→右→左の順番で3回くぐりますが、
1回毎に長く伸びた列の後ろに並ぶのは、日本人らしい光景かもしれません。
看板に書かれた唱え言葉を、しっかりと覚えてからくぐっていかれる方もいました。


八坂神社の境内には、今年の大河ドラマ・平清盛の父である
忠盛ゆかりの灯篭もあります。


八坂神社で厄除けをした後は、円山公園へ。
祇園祭の一部の山鉾の部材は、公園の中に立つ山鉾館に保管されています。
それぞれにかかっている額の文字は、町内ゆかりの方が書かれているそうです。


知恩院三門前へ。二階建ての門としては日本最大の大きさ!
何度見ても圧倒される迫力があります。


三門の脇には井戸があり、祇園祭で山鉾巡行の先頭を務める
長刀鉾の鉾頭(ほこがしら)を三条小鍛冶宗近が造った際に
使われたといわれています。立て看板もなく、知る人ぞ知る隠れスポットに
皆さん興味津々と言った様子でした。


知恩院の黒門の奥は立派な石垣が見えてまるで御城のよう。
一説には、徳川将軍家がいざという時の砦として
使おうとしたとも言われています。


続いて、白川沿いを進みます。行者橋とも呼ばれる
細い一本橋を皆さんで渡りました~。幅は66cmだそうです!
白川沿いはが美しいですね。


細い路地の奥には明智光秀の首塚があります。
本能寺の変は今の暦に換算すると7月1日で、ちょうど散策の次の日。
光秀は東山にひっそりと眠っています。
首塚は、近くの和菓子屋・餅虎さんが代々管理をされており、
光秀饅頭」も販売されています。おみやげに買っていかれる方もおられました。


平安神宮へと到着しました。
応天門に茅の輪がかけられています。


本日2社目の茅の輪くぐり。皆さんで一斉にくぐりました!
一時的に大混雑です(笑)


参拝と休憩を挟んで出発。平安神宮の駐車場には古そうな門が。
実はこの門、幕末に設けられた治安部隊・京都守護職の屋敷門です。
門の奥は武道センターで、年に一度、剣舞の披露に際して開かれるそう。
こちらも立て看板が無いので、知る人ぞ知る歴史スポットですね。


丸太町通を渡って、御辰(おたつ)稲荷神社へ。
江戸時代、東山天皇の側室の夢のお告げで創建された神社です。
御所から見て辰の方向にあり、夢に現れた狐はお箏が上手だったそう。
「辰」は「上達」にもつながるため、芸事上達のご利益で信仰を集めました。


続いて須賀神社へ。古くは西天王社とも呼ばれ、
八坂神社と同じ神様を祀る厄除けの神社です。
隣に祀られる、交通安全専門の「交通神社」も有名ですね。


須賀神社の北には、聖護院の塔頭・積善院(しゃくぜんいん)があります。
境内にある、崇徳院地蔵は「人食い地蔵」とも呼ばれる、なんとも恐ろしげなお地蔵さん。
その由来は「すとくいん」の呼び名が「ひとくい(人食い)」へと変化したからだそう。
実際に人を食べることはなさそうです!

積善院は、醍醐寺と同じく五大力さんを祀るお寺でもあります。
またまた知る人ぞ知る場所ですね!


しばらく歩いて吉田神社へと進んでいきます。
山蔭(やまかげ)神社は、料理の神として藤原山蔭を祀る神社です。
調理や味つけに秀でていたそうですよ~


そして本日のゴール、吉田神社で3社目の茅の輪をくぐりました。
これだけくぐれば、半年間の厄はしっかりと落とせたに違いありません。


ちょうど夏越の払い神事が始まるころで、こちらで解散とさせて頂きました。
神事に参加をして神職さんに続いて茅の輪をくぐることもできました。
地元の方も大勢の方が参加しており、すごい行列!
参加者は最後に茅(ちがや)を持ち帰らせて頂きました。


今回は、半年間の厄落としとして3つの神社で茅の輪をくぐりながら、
東山の知られざる社寺・歴史スポットをたどれた散策でした。
何度も歩いている場所でも、京都には意外な場所に歴史物語が隠されていますね。

多くの方にご参加いただきまして、ありがとうございました。
次の半年も「らくたび」をよろしくお願いいたします!



                                  ご案内 / らくたび代表・山村 純也
                          受付・添乗・文・写真 / らくたびレポーター・吉村 晋弥
  


Posted by らくたび  at 10:41Comments(2)岡崎~吉田山エリア

2012年02月09日

2月3日(金) 節分祭で招福除災


2月3日(金) 節分まつりをめぐる京都さんぽが開催されました。

ご案内は私、らくたび 森 です。
「京都の年中行事のなかで好きな行事は?」と聞かれたら「節分!」と
答える節分好きICON61 ご案内もとっても楽しみです。

この日の散策は、訪問社寺の節分スケジュールに合わせて、
12時30分に百万遍の交差点を出発しました。
京大キャンパスを横切りながら、吉田神社に向かっていると
参加者のMさまが「京大の中を歩いたのは初めてです」と。
そうですね、なかなかキャンパス内を歩く機会ありませんよね~。

さて、京大キャンパスを抜けると、吉田神社の参道が目の前ですが、
辺り一帯はたくさんの出店で大賑わい!

【 吉田神社 本殿 】
吉田神社の節分祭は、室町時代からの伝統を誇る京洛の一大行事。
毎年、2月2日~4日の3日間で約50万人もの参拝者が訪れるそう。
また参道・境内に所狭しと並ぶ800店もの出店も人気です。

境内には参拝者の方が持ち寄った古いお札が積み上げられ、3日の
午後11時~焚き上げの神事が行われます。そして、この炎の煙が
天に届く時…待ち焦がれていた春(立春)が訪れるというわけ。

また、もうひとつ、この神社の名物となっているのが…
≪抽選券付き福豆≫ 豪華景品がズラリと並びます!
1等はなんと、、、トヨタのヴィッツicon12


皆さん、当たるといいですね~(笑)

この日の境内はホント賑やか!お祭りムード満点です!


【 山蔭神社 】
吉田神社を創建した藤原山蔭をお祀るお社です。
実はこの藤原山蔭さん、日本で最初に食材に味付けをした方ということで
「料理の祖」として料理関係者から信仰されています。
ここで私たちも、「お料理の腕の上達」と「これからもおいしいお料理がたくさん
食べられますように!」と祈願をしました(笑)


【 大元宮 】
吉田神社が室町時代の戦乱で荒廃したあと、復興に尽力した吉田兼倶が
当時の日本中の神さまを一同に集めたところで、その数、3132柱
(※神さまは「柱:はしら」と数えます)
ここにお参りをすれば、日本全国の神社に参拝したのと同じご利益が
あるのです。

厄塚で厄を落とし、3132の神さまからご利益をたっぷりいただきました。



「私は河内国やわ」、「息子の住んでいる所の神さまにお参りしとくわ」、
「私は、母と兄と娘と…」 皆さん、お忙しくお参りされました。

吉田神社を後にした一行は、宗忠神社でこぶ茶のご接待を受け、ホッと一服。
さらに歩みを進め、続いての節分スポットに到着。

【 須賀神社 】

こちらは「懸想文(けそうぶみ)」の授与で人気急上昇中の神社です。
懸想文は今でいうラブレターICON115のようなお守り。これを人知れずタンスの引き出しに
入れておくと… 着物が増え、美人になり、良縁に恵まれる!と京の女性たちが
買い求めたもの。また、この懸想文を売っておられる方の姿がちょっと珍しい。

昔は庶民は文字が書けなかったため、あまり裕福ではないお公家さんが
アルバイトとしてラブレターの代筆をしていました。ただ、お公家さんは
アルバイトをしていることがバレてしまっては困る…ということで、変装を
しておられたというわけ。
皆さんには懸想文を、人知れず、ひっそりとお求めいただきました(笑)

また、境内では、節分限定のお菓子も販売されていました。


さて、須賀神社で良縁祈願をしたあとは…最後の節分スポットへ。

【 平安神宮 】
15時から境内で繰り広げられる「鬼の舞い」と「福豆まき」を見学しました。

神社の境内に鬼が侵入してきて…

我が物顔に暴れまわります。

しかし、豆をまかれて退散!

鬼を演じておられるのは、狂言の茂山社中の方なので、躍動感たっぷり。
まるで舞台を観ているよう!

そして、鬼が無事に退散したあとは、「鬼は外~」「福は内~」の元気な
掛け声とともに福豆まき♪

平安神宮の豆まきは、境内も広く、数も多いので、皆さんゲットできました。
(なかには「7個もらった」という方も!)


ここでこの日の京都さんぽは終了となりました。
少々寒さは感じたものの、ワイワイとおしゃべりの花が咲き、終始和やかな
散策となりました。

節分が終わるといよいよ新しい年の到来です。
この一年が皆さまにとって福多き年となりますように…

ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。

                                案内・文・写真/らくたび 森 明子
                                受付・添乗/らくたびガイド 冨田 啓子
                                写真/らくたび会員 五島 千恵様 
                                ※ご協力ありがとうございました








  


Posted by らくたび  at 12:00Comments(0)岡崎~吉田山エリア

2009年04月04日

琵琶湖疏水の散歩道と白河院と六勝寺 +祇園の宴



小雨降る中、京阪・神宮丸太町駅を出発しました。
川端通りからすぐの所にある 琵琶湖疏水 の桜並木がお出迎えです!



その桜並木沿いに歩き、夷川水力発電所、鳥羽上皇の御願寺・得長寿院史跡、
近衛天皇の御願寺・延勝寺史跡を巡り、 みやこめっせ に到着しました。



みやこめっせの地下1Fに、今は亡き白河上皇が創建された
法勝寺の復元模型が展示されています。
そこで若村先生より詳しい説明をしていただきました。

模型であっても、やはり実際に目で見ながらお話を聞くとわかりやすく、
その当時の壮大なスケールをイメージできました。
今は美術館や公園、そして平安神宮と、市民が憩う岡崎界隈に
「八角九重塔」という巨大な塔が建ち、多くの寺院が建ち並んでいた
当時を思い浮かべると、ワクワクしました。



琵琶湖疏水では、雨の中でも優雅に十石船が運航されていました。
雨は本降りとなってきましたが、岡崎ゾーンから南禅寺界隈へ
まだまだ散策は続きます。

この南禅寺界隈の中でも、隠れた桜の名所である 野村碧雲荘
残念ながら私たちが入ることは出来ませんが、嬉しいことに
紅枝垂れ桜が前の道を彩ってくれるのです。
この日はまだつぼみでしたが、あと数日で開花し
素晴らしい光景が見られることになるのでしょう~。



そして、 南禅寺 に到着。立派な三門と満開の桜は絵になります……
雨の中でも見事ですねぇ。絶景かなーっ、絶景かなーっ! です(笑)



水路閣を経由し、金地院の前を通り、 蹴上インクライン へ向いました。
琵琶湖疏水に至る傾斜鉄道の廃線跡は、京都の近代遺跡でもありますが、
このシーズンは桜スポットとして観光名所となっています。
確かにこのシーズンはキレイですね。雨の中でも十分楽しめました。

インクラインを少し登ると公園があり、そこにはハンサムでカッコいい
田辺朔郎博士像 がさっそうと立っています。都が東京に移り
衰退しそうになった京都がここまで発展したのは、琵琶湖疏水事業が
あったからこそ、と言っても良い程の大規模で困難な事業でした。

その総責任者であった田辺朔郎博士の像を見ているだけで、
沸々と闘志が湧いてくるような気がしました!

最後に石仏・義経大日如来を参拝して、解散となりました。
ほぼ満開の染井吉野桜は、しっぽりと雨に濡れ美しかったです。
本降りとなってしまった雨の中のツアーでしたが、
いつもの如く内容の濃いツアーでした。


*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *




お昼の京都さんぽに続いて、夜には祇園花見小路にある 料亭・美登幸 さんで
夜桜の宴が行われました。美味しい京料理に舌鼓、芸妓さん、
舞妓さんと楽しい一時を過ごすことができました。

芸妓さんの舞は艶やかで。舞妓さんの舞は愛らしく。
“憧れのお茶屋さん遊び”も拝見できて楽しかったです。
お酒もほどほどなのにすごい盛り上がり方!
最後には芸妓、舞妓さんとのツーショット写真を撮っていただき、
皆さん大満足の宴でした~。

らくたびさんの企画でないとこのような体験は出来なかったでしょうね。
ありがとうございました。


文/らくたび会員 奥村成美様  写真/らくたび会員 坂田肇様・奥村成美様


  
タグ :京都舞妓


Posted by らくたび  at 10:42Comments(0)岡崎~吉田山エリア

2008年11月24日

絶景の早朝紅葉めぐり



紅葉燃える秋、京都が最高に輝く季節がやってきました。
この日のらくたび京都さんぽはいつもよりちょっと(いや、かなり?)
早起きをして、朝の8時に岡崎神社をスタートです。



最初に訪れた 岡崎神社 は、平安京の頃より朝廷に崇敬された
歴史ある神社。その後、時代の流れと共にこの辺りの土地を守る神様として
信仰されてきました。

手水所にウサギの姿(像)があるのは、昔この辺りには野ウサギが多くいたらしく
ウサギ=多産=安産の神様となったことからだそうです。



すぐお隣の 岡崎別院 は親鸞聖人が住まれた草庵跡に建てられた東本願寺の別院です。
境内には親鸞聖人が越後に流される前に姿を映されたと伝わる
「姿見の池」も残っています。
本来なら境内の見学のみのはずだったのですが、
ご住職さんのご好意で本堂に入れていただくことができました。

観光寺院ではなく現在でも道場として開かれている場所で、
清々しい朝のひとときを過ごし、「早起きはええなぁ」と実感しました。
尚、この岡崎別院、「親鸞屋敷」あるいは「岡崎御坊」と呼ばれたのですが、
本願寺のお寺はちょっと名称がややこしいのです。
別名がたくさんあるのはそれだけ人々が親鸞聖人を慕っておられた
からだと思うのですが、京都検定受験者は混乱しがち。
でも、実際の場所で親鸞聖人が住んでおられたことを聞いたことにより、
岡崎別院はちゃんとインプットされました。
やっぱりわからない時は行くのが一番ですね。



続いてすぐ近くの細い参道を通り 金戒光明寺 へと向かいました。
見晴らしがよく、交通の要所に建っていることから、
幕末には会津藩の本陣となったお寺です。
今年大ブームとなった大河ドラマの「篤姫」にも、映像にこそ
出てきませんがこのお寺も大きく関わっています。

また、ここでもう一つ忘れてはならないのが本堂前にある
「よろいかけの松」。 源平合戦(一の谷)で平敦盛を討ち取った
熊谷直実が人生の無常を感じ出家をした時、武士の象徴である
鎧を掛けた松(現在は2代目)です。

この一の谷での熊谷直実と平敦盛のやりとりは、らくたび講座や
京都さんぽで何度も聞いていますが、お玉さん(桂昌院)の
シンデレラストーリー同様、結末がわかっていても聞きたくなる
話の一つです。
境内にはそんな2人の供養塔が向かい合って並んでいました。



“京都で一番見晴らしのいい墓地”を通り抜けると 西雲院 へ到着です。
2月の節分ツアーでここを訪れた時は梅のつぼみに春の訪れを感じたのですが、
この日は大きな(ホントに大きな)柚子がたわわに実っていました。
この辺りには幕末の鳥羽・伏見の戦いで敗れた会津藩の志士のお墓が
並んでいますが、2月に来た時はあまり気に留めていませんでした。
しかし、今年は篤姫を観ていることもあって、「幕末」と聞くと
自然に耳が傾きます。こんな風に季節によって風景が異なるのを
見つけたり、時間と共に自分自身の捉え方が変わっていく事を
感じたりするって面白いですね。
次にここを訪れる時はどんなことを思うのかなぁ。



墓地が続くちょっと薄暗い道を歩いていると突然視界が鮮やかに!
裏道から 真如堂 の境内に到着していました。

赤、橙、黄、緑の見事な木々が境内を彩っています。
低く枝を差し交わす紅葉は目の高さで楽しめ、本堂や三重塔を飾る
景色はなんともきれい。わざわざ早起きをした甲斐がありました!

ここでしばらく自由行動となり、思い思いの場所で錦秋を
楽しむこととなりました。

境内には映画誕生100年を記念して今年「京都・映画誕生の碑」が
建てられたと聞いていましたので、これも忘れずにチェックです。



再集合をした後は、白川通を渡り霊鑑寺、安楽寺を外から見学し 法然院 へ。
法然院は茅葺き門と2つの白砂壇で構成された庭が人気のお寺です。
仏足石もあります。多くの方に仏教に触れてもらいたいというご住職さんの
思いから、コンサートやイベントといった新しい企画も開催されています。

また境内には著名人のお墓も多くあり、中でも知られているのが谷崎潤一郎。
『細雪』の中では四姉妹が平安神宮の枝垂桜を見に行く場面が
印象的に描かれていますが、お墓の後ろにも桜の木が植えられていました。

桜の葉が秋色に染まる哲学の道を銀閣寺方面へと歩いていくと次第に
人、人、人、、、時間は11時過ぎ、皆さんが活動を開始される頃ですが、
ここで私達の京都さんぽは終了となりました。

京都の秋といえば大寺院の絢爛豪華な紅葉であったり、
個性豊かな庭園の美であったり、世捨て人が庵を組んだ風趣であったり、
その楽しみ方は様々です。
今回の京都さんぽでは何度か足を運んでいるコースの中でのんびりと
自然を眺め、行く度に変わる風景の楽しみ方を教えていただきました。
そして「やっぱり紅葉見物は早起きがいい」と実感したさんぽでもありました。

参加者の皆さん、スタッフの皆さん、朝早くからお疲れ様でした。
来年もまた早朝にお会いしましょう!


文/らくたび会員 森明子様  写真/らくたび会員 鴨田一美様

  
タグ :京都紅葉


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2008年02月03日

須賀神社「懸想文」と吉田神社節分祭


2008年2月3日(日)13時 「須賀神社の懸想文と吉田神社の節分祭」ツアーは
熊野神社を出発しました。熊野神社から金戒光明寺へ続く春日北通りは、
普段はとても静かな道ですが、この日はお飾りに明かりが灯り、
お茶やお菓子も振舞われ、とっても賑やかです。


まず始めに 聖護院 にて、お寺の歴史などの説明を聞いた後、
10分間の自由見学となりました。
すると、ちょうどその時間帯に本殿で豆まきが始まるではありませんか。
なんとラッキーな私達!!
参加者の方の中には、見事福豆をキャッチされた方もいらっしゃいました。


続いてお向かいの 須賀神社 へ。ここでこの日一番の目的(だったのは私だけ?)である
懸想文(けそうぶみ)を購入しました。

さて、この懸想文、あまり聞きなれない言葉ですので、
ここで簡単に説明致しますと、、、懸想文とは、江戸時代、
京の街で買い求められた“願いを叶えるお守り”です。
懸想文を人知れず箪笥の引出しに入れておくと、姿が美しくなり、
着物が増え、良縁に恵まれると言われ、多くの女性が買い求めていたとか。
いつの時代も女心って変わらないんですねぇ。

ちなみに「懸想文売り」は貴族のアルバイトだった為、
独特の出立ちに顔には覆面。
でもそんな姿が、カメラを手にした女性陣に大人気で、
「懸想文屋さ~ん、こっち向いて~」とモテモテ状態でした
(覆面の下は満面の笑顔だったんでしょうね)。

この優美な風習は明治に一旦途絶えてしまうのですが、
近年になって須賀神社で再開されました。
尚、この懸想文に関する問題は第4回京都検定2級の問題に
出題されましたが、検定本には載っていないので、
実際に見ていないと難しいですよね。
今後はこの様な問題が増えていく様に思います(汗)


さて続いては、金戒光明寺(通称:黒谷さん)へ。
ここは法然上人が比叡山の黒谷を降り、草庵を結んだことに始まります。
幕末には会津藩の本陣となり、新選組の隊士達も訪れた場所です。
さらに時代をさかのぼれば、平家物語に登場する熊谷次郎直実が
出家をした時に、武士の象徴である鎧を脱いで松に掛けた
というエピソードが残るお寺でもあります。
その松の前で(現在の松は2代目です)山村先生より、
平家物語の一の谷のシーンを熱~く、熱~くお話頂きました。
この一の谷のお話は、講座でも何度か聞いていますが、
実際にゆかりのある場所で聞くと、教室とは違った臨場感がありました。
また、平家物語と新選組、同じお寺で全く時代の異なる出来事が
交錯するところに、改めて京都の歴史の奥深さを感じながら、
金戒光明寺を後にしました。

その後、 真如堂 を抜け、 宗忠神社 へと向かいましたが、
この金戒光明寺~宗忠神社ルートは、4月になると
桜色に染まるすてきな散歩道へと変わるそうです。
街中に比べるとまだまだ“穴場”ということですので、
春にもう一度訪れてみたいものです。


そして一行は本日の最終目的地である 吉田神社 へ到着しました。
吉田神社の節分祭は、室町時代からの信仰と伝統を誇る大行事で、
期間中は全国からの参拝客で賑わいます。
出店もたくさん並んで、おいしい誘惑がいっぱいですが、
まずは斎場所大元宮にお参りです。
ここには全国の式内神3132柱がお奉りされており、ここをお参りすれば、
全国の神社にお参りしたのと同じご利益があるんだとか。
さりげなく言っていますけど、すごいことですよね。
皆さんがご出身地の神様を探して、お参りをされる姿が印象的でした。


その後、節分祭名物(?)「抽選券付の福豆」を購入。
境内の一角には協賛企業から提供された景品がズラリと並び、
「旅行行きたい!」「お食事券がいい~」と夢はどんどん膨らみます。
夜には「火炉祭」も行われ、お祭りはまだまだ続きますが、
ツアーはここで終了、後は自由見学となりました。



この日は終始小雨が降る寒い一日でしたが、
梅の蕾に小さな春の訪れを見つけ、参加者の皆さんとのお喋りの花は
満開(?)の楽しいツアーとなりました。

節分と言えば、子供の頃は「豆まきの日」として大切な日だったはずなのですが、
いつの頃からか、「巻き寿司を食べる日」となり、
最近は年中行事の中でもあまり気に留めることがありませんでした。
しかし、今年はいにしえより伝えられてきた伝統行事を実際に見て歩き、
移りゆく季節の趣を感じながら、新しい1年のスタートを
切ることが出来たと思います。

この1年が、節分ツアーに参加された皆さんに、そして、
残念ながら参加できなかった皆さんにとっても、
たくさんの「福」がある良い年となりますように。
来年の節分が今から楽しみです!
(吉田神社の福引きが当たった方がいらっしゃいましたら、
らくたびにご連絡下さいね~!) 


文/らくたび会員 森明子

  
タグ :京都節分


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