2012年11月26日

11月17日 法性寺・寶樹寺の特別拝観と九条界隈の社寺

11月17日のらくたび京都さんぽは、
特別公開の法性寺寶樹寺を巡り、
藤原氏ゆかりの社寺が残る九条通界隈を散策しました。



出発は、東福寺駅。紅葉シーズンということもあって
雨の降る空模様ながらも大勢の人で賑わっていました。

まずは、東福寺とは反対側の滝尾神社へ。
今年は辰年ですが、拝殿の天井見事な龍の彫刻があります。
夜な夜な水を飲みに出かけたと伝わるほどの
躍動感のある龍ですよ。


滝尾神社からすぐ近くの寶樹寺へ。非公開文化財特別公開で、
源義経の母・常盤御前ゆかりの薬師如来像と、
雪除松図を見ることが出来ました。


雪除松は、幼い子を抱いて清盛のもとへと向かう常盤御前が、
雪を除けようと身をひそめた松。その根が境内に残されています。


続いては、法性寺へ。
藤原忠平が建立した藤原氏の氏寺の流れをくみ、
数々の兵火をくぐりぬけた国宝の千手観音像が伝わります。
見事な仏像と、迫力ある不動明王像・薬師如来像を鑑賞しました。


お手洗いもかねて東福寺の境内へ。
紅葉シーズンということもあって、境内は大混雑。
でも、若村先生の「」の服装が目立っているので迷いません!




臥雲橋からは紅葉の雲海が広がっていました。


東福寺を抜けて、九条大橋を越えて藤原氏や
九条家ゆかりの社寺が残る界隈へと向かいます。



新宮神社は、九条家が創建に関わった神社。
今では足止めのご利益があるとして信仰を集めているそうですよ。


九品寺(くほんじ)の辺りは、法然上人の別名・円光大師ゆかりの地。
法然に深く帰依した九条兼実は、自らの九条邸に法然を招き、
帰りに法然を見送ると、法然の背が
円光を放っているのを見たといわれています。


最後は、城興寺薬院社へ。
平家追討の令旨で知られる以仁王は、城興寺の寺領を有していましたが、
それが平家によって取り上げられてしまったために
追討を決意したとされます。意外なつながりがあるのですね。



今回の散策は非公開文化財を巡り、
東福寺でも少し紅葉を眺めることが出来ました。
街中の小さな社寺にも深い歴史が隠されていて、
らくたびならではの散策だったのではないでしょうか。

終始雨が降る中でしたが、多くの皆様にご参加いただきました。
本当にありがとうございました。

おまけ:薬院社の狛犬が珍しい姿をしていました。



                                  ご案内 / らくたび代表・若村 亮
                          受付・添乗・文・写真 / らくたびレポーター・吉村 晋弥
  


Posted by らくたび  at 00:44Comments(0)東福寺~伏見稲荷エリア

2012年11月18日

11月10日 報恩寺「鳴虎図」と聚楽第の足跡めぐり

11月10日(土)のらくたび京都さんぽは、
秀吉伝説が伝わる特別公開鳴虎図報恩寺で見学し、
同じく特別公開浄福寺も訪れながら、
秀吉ゆかりの聚楽第の足跡をたどりました。


出発は地下鉄の鞍馬口駅。
まずは妙覚寺へと向かいました。
門前の桜も綺麗な妙覚寺の表門は、
聚楽第の裏門を移築したものともいわれています。


くぐり戸が二つあるのが特徴ですよ。


妙覚寺からは小川通を南へ。本法寺の前にはかつて流れていた
小川(こかわ)」跡にかかっていた橋も残されています。


一帯は綺麗な井戸水も手に入りやすかったため、
表千家・裏千家の茶室もあります。


そして「鳴虎図」が特別公開されている報恩寺へ!
12年に1度、寅(とら)年の正月三が日にしか公開されない絵が見られるのです。
鳴虎図は非常に繊細なタッチで描かれていました。
秀吉がこの絵を所望して聚楽第に持ち帰りましたが、
夜に吠えて眠れず、寺に返したといわれています。


報恩寺は「撞かずの鐘」でも知られています。
現在は大みそかの夜に撞かれていて、幻の音色を聞くことが出来ます。



堀川通ではイチョウも黄色く色づいていました。
イチョウの下は公園になっていて、
もうじき黄金色の絨毯になりますね。


こちらは山名宗全の邸宅跡
応仁の乱で東軍の細川勝元と対峙した西軍の本拠地で、
それゆえ一帯が「西陣」と呼ばれています。


幾多の大火をくぐりぬけ、焼けずの寺で知られる本隆寺では、
いけばな展が行われていました。しばし見学させて頂きました。


さて、今出川通を南へ渡って、
いよいよ聚楽第の範囲へと入って来ました。
この道が北の端だそうですよ。


そして特別公開の浄福寺へ到着です。
鮮やかな赤門が印象的です。


浄福寺の本堂は最古の違法建築といわれています。
江戸時代には建物の大きさを三間、すなわち約5.4mまでに
規制する三間梁規制がありました。
しかし、法要などのために多くの人が入れる場所が必要だった浄福寺は、
外観は別棟のようにして中はこっそりつなげて広くしたそうです。


方丈の天井に張られた龍の絵は、
真下で手を叩くと「び~ん」と響く鳴き龍です。
他にも、住職による絵解きもあって、楽しませていただきました。



さて、浄福寺を後にして、再び聚楽第の跡をたどります。
こちらは濠跡が見つかった付近で、石碑が立っています。


さらには聚楽第にあったという梅雨の井へ。
現在は住宅地の中に隠れるようにあります。


そして聚楽第の濠跡に立つとされる松林寺
境内は辺りよりも土地が低なっています。


今回は聚楽第推定地の南端・丸太町通で解散となりました。
聚楽第跡は今は住宅地ですが、僅かながら痕跡が残されていて、
何気ない風景でも先生の解説があると「なるほど」と思えます。


報恩寺と浄福寺非公開文化財
素晴らしいものばかり。個人的には報恩寺の小さな千体地蔵尊に感動しました。
今回も多くの方にご参加いただきまして、ありがとうございました。




                                  ご案内 / らくたび代表・山村 純也
                          受付・添乗・文・写真 / らくたびレポーター・吉村 晋弥
  


Posted by らくたび  at 22:03Comments(0)西陣~北野エリア

2012年11月04日

10月27日 国宝五重塔の海住山寺と聖武天皇ゆかりの恭仁京

10月27日(日)のらくたび京都さんぽは、
特別公開の五重塔などが見られる海住山寺
観音座像が見られる現光寺、下鴨神社縁の地でもある岡田鴨神社
かつての都・恭仁京跡などをめぐりました。


集合はJR加茂駅
春には岩船寺や浄瑠璃寺へと訪れた際にも集合した駅で、
今回は反対側の海住山寺などを巡っていきます。



最初は、珍しい座像の十一面観音を拝むことができる現光寺
海住山寺の末寺で、今回は特別に拝観させていただけました。
が、残念ながら写真がありません。ごめんなさい!
現光寺からはタクシーに乗り込んで岡田鴨神社へと向かいました。


下鴨神社の御祭神・賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)は、
葛城山から「岡田の鴨」に至った後に、
鴨川をさかのぼって賀茂の地に鎮まったとされます。
その岡田の鴨の由緒を伝えるのが岡田鴨神社です。


さらにタクシーで海住山寺へと向かいます。
海住山寺でひと際目を引くのはやはり五重塔
現光寺に引き続いて、住職の方からご説明いただきました。



塔の高さは17mで、東寺(高さ55m)や八坂の塔(46m)の
大きさに慣れてしまうと小さくも見えますが、
実は歴史はより古く、数ある五重塔の中でも唯一鎌倉時代の五重塔
国宝に指定されています。
特別公開では、五重塔内部に安置されている
四天王像などを見ることができました。



この後、本堂内でご本尊を間近で拝見し、
素晴らしい寺宝の数々を見させていただきました。



本坊からの楓の風景は、私も個人的に大好きな眺め。
もうじき真っ赤に染まる様子を想像するのも楽しいですね。


境内には見晴らしの良い場所もあります。
ずいぶんと高いところへとやってきました。


境内を散策して五重塔の前に再集合。
よく見ると屋根が6層あるように見えますが、
一番下は「裳階(もこし)」と呼ばれる飾り屋根です。



さて、海住山寺の境内から山道を進んで行くと、
解脱上人・貞慶の墓があります。海住山寺は貞慶によって復興され、
今年は800年御遠忌に当たります。


海住山寺からの下り道はヘアピンカーブの続く急傾斜!
前と後ろで手が振れるくらいの高低差がありましたよ(笑)




途中、加茂の街並みを見渡せる場所もありました。



海住山寺から下りきると、そこには綺麗なコスモス畑が広がっていました。


そんなコスモスに囲まれて遺跡が残るのが恭仁京(くにきょう)跡
奈良時代の聖武天皇は、藤原広嗣の乱が起こった際に旅に出て、
最後の滞在地であるこの地が都に定められました。
その後も、紫香楽宮・難波宮と放浪をつづけた天皇で、
恭仁京が都であったのも短い間でした。


恭仁京跡は、後に国分寺として活用され、
その石碑や七重塔の礎石も残されています。


それにしてもコスモスが綺麗!
ということで、皆さん写真撮影です(笑)


かつての都を偲びながら、長閑な道を歩き
最後は木津川の橋を渡ってJR加茂駅へと戻りました。



今回は普段なかなか訪れる機会のない南山城の社寺をめぐりました。
特に海住山寺は、美しい五重塔に楓のお庭、
抜群の眺望など魅力にあふれていました。
山村先生に縁の地ということもあって、
解説もここでしか聞けないものがあったと思います。

コスモスも綺麗で癒しの空気もありました。
今回も多くの方にご参加いただきまして
本当にありがとうございました。



                                  ご案内 / らくたび代表・山村 純也
                          受付・添乗・文・写真 / らくたびレポーター・吉村 晋弥
  


Posted by らくたび  at 23:02Comments(0)その他

2012年11月03日

11/3(土)イヤホンガイドでめぐる京都御所&町家ピザ

11/3(土) らくたび会員さま限定企画 が開催されました。

この日は、 午前・午後のイヤホンガイド & 夜の町家イベント
らくたびスタッフがフル稼働の一日です face02

【 イヤホンガイドでめぐる京都御所 】
秋の一般公開中の京都御所の見どころ イヤホンガイドを使って
たっぷりとご案内
する企画。当初、午後のみの開催予定でしたが、早々と
定員に達したため、急遽、午前の部も開催!

ご案内は・・・ らくたび代表・若村

午前・午後のダブルヘッダー です(笑) 頑張って~ICON59

九条家の遺構「拾翠亭」など、京都御苑内を散策しつつ、
いざ、京都御所へ!


ここから イヤホンガイドの出番 です!

若村が首からかけている機器がイヤホンガイドの 発信機 。襟元には
小型マイク が装着されており、 イヤホン を通して参加者の皆さまに
ご案内が聞こえるしくみ。 雑音が入らない 、騒がしいところでも
しっかりと声が聞こえるすぐれモノ
icon12です!

京都御所内の広いスペースでは、 参加者さまを前にご案内


建物前の 混雑した場所では、参加者さま個々に建物に近づいて
いただき、若村が離れた場所からご案内
します。一般の参観者さんの
ご迷惑にもならず安心。これがイヤホンガイドのいいろころ icon22


あらかじめ音声を録音したイヤホンガイドと異なり、 生の声でご案内を
するイヤホンガイド
ですので 「 部屋の中に椅子があるのが見えますか?
もうちょっと左に移動してもらった方が見やすいかも・・・ 見えましたか?
そちらの椅子が・・・ 」
といった具合に 皆さまの様子を見ながら お話を進めます。


「 紫宸殿の階段の数の意味 」「 右近の橘・左近の桜 」「 建物の
役割 」「 建築様式の移り変わり 」
など、案内なしでは見逃してしまう
御所内の見どころを、約1時間半かけてたっっっ~ぷりとご案内し、
参加者さまからも好評のお声をいただくことができました。

ご参加いただきました皆さま、ありがとうございましたICON60

次回のイヤホンガイドをお楽しみに~♪  ( 受付・添乗 / らくたび・森 )


イヤホンガイド終了後、町家へ移動して・・・
【 町家で窯焼きピザとワインの夕べ 】
らくたびオフィスでもある 築100年の京町家 で、京の四季を感じて
いただく企画。この日は、 「 亥の日の火入れ 」にちなみ、炭火を
使った窯焼きピザ作り
を楽しみました。

ピザ奉行(?) らくたび・佐藤
次々とピザが焼き上がります。おいしそう~face05


チーズがとろ~り・・・ らくたび代表・山村 が切り分けます。
「 熱っ~! おっ、なかなかいい感じに焼けてる~ 」 

京町家でいただくワインとピザ、賑やかで楽しい宴となりました。

ご参加いただきました皆さま、また、お手伝いにご協力いただきました
会員さま、ありがとうございました。

次回は、12月に大根焚きを行います!どうぞお楽しみに~。
  


Posted by らくたび  at 21:00Comments(0)御所~下鴨エリア