2010年03月22日

滋賀遠征!!石積みのある門前町・坂本を訪ねて



京都を離れてお隣の滋賀県を散策する、初の「滋賀さんぽ」です。

すぐそこまで比叡山の裾野が広がる城下町 坂本
京都の町中とはまったく異なる風情は、どことなく格式が感じられます。
それはきっと駅から日吉大社に続く穴太積(あのうづみ)という石垣と
白壁が続く町並みのせいでしょう。

穴太積とは、石塀などに独特の技法を使ったな石積みのことで、
加工しない自然のままの石が積まれた石堀は見事で凛とした美しさです。

坂本は、比叡山と深い繋がりのある町で、
現在でもゆかりの寺院が多く建ち並んでいます。
日吉大社に至る参道に並ぶ多くのお寺は、全て比叡山の僧侶が
天台座主の許しを得て住み込む隠居坊である里坊(さとぼう)です。



その中でも、高い格式を誇る 滋賀院門跡 を訪れました。
この滋賀院は延暦寺の本坊で、江戸時代末期まで天台座主の居所でした。
院内はとても広く、狩野派の襖絵や、立派なお輿や、鎧兜を拝見しました。
私的に感動したのは、比叡山延暦寺で今も灯し続けられている
『 不滅の法灯 』 がこちらにもあったこと。
延暦寺西塔の釈迦堂で灯してあった灯籠をひとつ外して
こちらに移してこられたそうです。
その1200年以上も灯っている灯火を間近で拝見できたのは嬉しかったです。



そしてこちらにも 涅槃図 が飾られていました。
お釈迦様の入滅の悲しみを表す涅槃図。
「生きとし生ける物 全ての悲しみ」というだけあって、
こちらの涅 槃会にはなんと魚(鯉?)までもが描かれていました!
そして慈眼大師の御廟である慈眼堂がある境内の墓地には、
桓武天皇・後水尾天皇・徳川家康・紫式部・和泉式部など
多くの供養塔が祀られています。



さあ、次の目的地は、平安京の表鬼門である 日吉大社 です。

ここ日吉大社は、およそ2100年も前に創祀され、全国に3800社もの
系列神社がある総本宮です。

確かに境内はとっても広く、そして古い!
これが歴史の深さの証しなのでしょう。京都好きの私たち(?)にとっては
「 平安京の表鬼門 」 というのに興味あり!
京都御所の猿が辻・幸神社・赤山禅院、そして比叡山から日吉大社と、
厄除の社として平安京を守っています。



そして、もちろんこちらにも神様のお使いである
お猿さんが祀られています。
こちらでは「神猿(まさる)」と呼ばれています。

そして、なんと生きている本物のお猿さんもいます!
自然の山猿もそうですが、なんと檻に入ったお猿さんまでいるのです。
さすがは日吉大社ですね。 

4月には山王祭という勇壮なお祭りが行われます。
境内にある神輿収蔵庫に展示してある御神輿は桃山時代から
江戸時代に作られた豪華なものです。実際に山王祭で担ぎだされます。
お祭りの最後には琵琶湖上の唐崎沖にて御神輿への献納祭が行われる
という湖国ならではの約1300年の歴史があるお祭りです。



 たっぷりと日吉大社の歴史にふれた後は、明智光秀と一族の
菩提寺である 西教寺 を訪れました。

歴史は古く聖徳太子の創建と伝えられています。
荒廃していた頃もありましたが、慈恵大師良源上人が復興し、
念仏の道場としました。現在も不断念仏の道場とされており、
私たちが僧侶の方のお話を伺っている間もずっと心地よい静かな
鉦の音が堂内に響き渡っていました。
本堂は総欅造りで、京都のお寺には見られないずっしりとした
重みのある趣が見られました。ご本尊は定朝様式・丈六の
阿弥陀如来座像(平安時代作)でとても立派です。



客殿庭園は小堀遠州作の美しいお庭です。
歴史はもちろんのこと、拝見するものは皆素晴らしかったです。



最後に明智光秀と西教寺のお話を山村先生からたっぷりと伺いました。

織田信長の比叡山焼き討ちの際に西教寺も焼失しました。
そのとき坂本城の城主となった光秀は、西教寺の檀家になり、
復興に力を注ぎました。今の西教寺があるのも光秀の力があったからこそです。

信長を討ち、歴史ではあまり良い印象を持たない方も多いと思いますが、
光秀にとって生涯のパートナーは内室の煕子(ひろこ)様
ただ一人だったとか。ほかの女性には目もくれず
生涯ただ一人の女性を愛し続けた光秀。今もその奥様とともに
この西教寺に祀られています。とっても女性目線なお話ですが、
山村先生のお話の中で最も心をうたれました(苦笑)

城下町・坂本をたっぷりと散策しました。
京都とはまた違った深い歴史のある町です。でもどこかで必ず
京都と繋がる歴史があります。歴史って奥深いですが、
知れば知る程おもしろいですね!

滋賀院門跡・日吉大社・西教寺と、いずれも通年一般参拝可能です。
今回参加されなかった方も、ぜひ一度訪れてみてください。
きっと新しい発見があります。
そして京都との繋がりを見いだした時には感動があります。

今回参加されたみなさま、少々いつもよりよく歩きましたが、
大満足の散策でしたね。お疲れさまでした!

山村先生、次回の「滋賀さんぽ」を楽しみにしています!


文/らくたび会員 奥村成美様  写真/らくたび会員 鴨田一美様・坂田肇様

  
タグ :滋賀坂本


Posted by らくたび  at 18:07Comments(2)滋賀エリア