2007年11月24日

毘沙門堂の大パノラマ紅葉と山科疏水めぐり



最高の天気に恵まれ、紅葉もピークを迎えた絶好の日、
スタッフを含めて47名という大人数でのスタートとなりました。
集合場所の山科駅前から毘沙門堂までは徒歩20分ほど、
参道の狭い部分では車が行き違えないほどで、バスは到底はいれません。
極楽橋を渡るといよいよ 毘沙門堂 へ到着です。



思ったより人は少ないながらも、さすがに紅葉の量の多さは
目を見張るものがあり、とりわけ勅使門からの参道が絶景でした。

晩翠園と呼ばれる庭園や弁才天を祀ったお堂周辺も見事に色づいています。
毘沙門堂は紅葉のみならずお堂の内部も必見です。
特に宸殿を中心に各部屋で拝観できる狩野尚信作の襖絵は、
逆遠近法を取り入れた「動く襖絵」として知られています。
襖絵を見ながらゆっくり動くと、老人の横の長机が見事に動きました!
皆さんしばし襖絵を見たままいったり来たり。



そして面白かったのが最後の部屋。
襖絵には梅の木に山鳥、竹の木にシマヒヨドリが描かれています。
これは本来、梅に鶯、竹に雀という常識を外したもので、
木に鳥があってない→すなわち「とりあわず」の間ということです!
ここに通された客人はこの襖絵をみて、
教養があればなるほど今日は会えないと理解して退散しますし、
その意味が理解できなければいつまでも待たされることに……。
なんともユニークで、ある意味厳しい世界だと感じました。



見所いっぱいの毘沙門堂を後に、いよいよ 山科疏水 めぐりの開始です。
山沿いに流れる疏水を右手に歩いていくと、右手にかつて栄えた安祥寺、
そして左手には大化改新を成し遂げ、
大津京を開いた 天智天皇陵 があります。






紅葉を楽しみつつ更に進んだところで朱色の橋に出会いました。
明らかに今までの橋とは作りが違います。その橋を渡って山手に進むと
なにやら金色が目の前に飛び込んできます。
到着したお寺は 本圀寺(ほんこくじ) 。日蓮宗の大寺院です。

鎌倉にあった日蓮上人の庵からスタートし、京都六条堀川では
かつて大伽藍を形成していました。
その後この山科の地に移転してきたそうです。
それにしても金色に輝く巨大な仁王像に皆さんしばし呆然。
同じく金色に輝く梵鐘は、豊臣秀吉の姉である日秀尼が寄進したものだとか。
奥には日蓮宗の熱烈な信者で、入口の門も寄進した
加藤清正公をお祀りした清正宮がありました。
こちらの鳥居も金色・・・。圧倒されました。
しかしながら、派手な色使いとは対照的に境内はひっそり静まりかえり、
現在も厳しい修行が行われている雰囲気がヒシヒシと伝わってきました。



最後に訪れたのが 永興寺(ようこうじ) です。
こちらも観光寺院ではありません。
以前からこちらで個人的に坐禅をさせていただいている関係もあって、
お願いすると快くお堂の中に入れてくださいました。
道元禅師が開いた曹洞宗のお寺で3番目に古く、歴史ある寺院です。
大本山の福井県永平寺と最初の道場である宇治の興聖寺から
最初の一文字ずつをとって名づけられたそうです。
庭に胴体があり、もぐって天井に姿を現しているという
平成第一号の天井龍をみせていただき、
日本一の大きさの木魚も叩かせていただきました。

隣にある山科豊川稲荷にもお参りし、細い道を三条通りまで戻って
終了となりました。
解散後、希望者の方は更に蹴上まで歩いて紅葉を楽しんでいただきました。

多くのご参加をいただき、ありがとうございました。 


文/山村純也
  


Posted by らくたび  at 15:00Comments(0)山科~醍醐エリア