2007年05月20日

宇治・吉田銘茶園 新茶の茶摘体験と工場見学



出発地は近鉄電車の小倉駅。22名が街中をぬって
吉田銘茶園さんへと向かいます。
山政小山園や丸久小山園といったお茶を扱う老舗を横目に歩いていくと、
いつしか左右には茶畑が広がってきました。
このあたりの茶摘は終わって、短く刈られていました。



吉田銘茶園さんに到着すると、
あたりはなんとも濃厚なお茶の香りに包まれていました。
3月のらくたび講座「茶香服体験」でお世話になった吉田勝治さんが
出迎えてくださり、5分ほど歩いたところにある広大な茶畑へ。
入口にはたくさんの自転車が横ならびに置いてあり、
茶摘のプロの方々が手際よく作業をしていました。
3人に1つくらいの割合で籠を持ち、いよいよ茶摘の始まりです。
まずは吉田さんより茶摘のコツを指南していただきます。



基本は下から摘んでいくこと、新芽は全てとって茎ごと籠へ。
よく見ると新芽はかなりうすい色で光沢があり、
みずみずしい色なので見分けはすぐつきました。
とはいっても開始してすぐはやはり試行錯誤、
慎重に見分けながら丁寧に摘んでいきます。
人差し指と親指で摘んでパキッと折り、籠に入れていく作業は
新鮮で、新芽がきれいになくなっていくのを見ると、
達成感がわいてきて楽しい気分になりました。
まあこれをずっとやり続けるのは大変なんでしょうけど。。

吉田さん曰く、「実は、そういう風にひとつひとつ摘んでは
籠に入れてたんでは、仕事にならんのですわ。」
何本も手のひらで摘んだ葉をスライドさせて持ち、一気に入れていかないと
茶摘の作業はいつまでたっても終わらないのです。
茶摘のお仕事って、1キロいくらの「出来高制」なのだそうです。



それにしても吉田さんが感心されるほど参加の皆さん全員が熱心に
丁寧に摘んでおられます。30分がたち「そろそろいきましょかー」
と問いかけても返事がないくらいでした。
各自摘んだ茶葉は、袋いっぱいに入れて持ち帰らせてもらえることに。
さらに、茶葉を家庭の電子レンジを使って
揉んで飲めるお茶にするレシピもいただきました。



続いて工場を見学させてもらいます。
ここではお兄さんの吉田利一さんに案内していただきました。
お茶に覆いをするのは、日光を遮ることで、
茶葉が通常よりがんばって光合成をしなくてはいけなくなるため、
葉緑素をたくさんつくり、それがうまみに繋がるとのことです。



工場では機械を使って茶葉の水分を50%、70%と
徐々に飛ばしていきます。
お茶に含まれるビタミンCは熱に強いため、この加工を通じて
他の物質が消えて、さらにビタミンC濃度が上るそうです。

その後、乾燥させた状態の「荒茶」をいただきました。
言われるまま口に含んで噛んでみると、何ともいえないうまみがでて
ホントに美味しかったです。
そのまま食べても美味しいなんて、改めていいお茶なんだ!と実感。
煎茶のできる行程を見せてもらった後は、
時間をかけて水出ししたお茶をいただきました。
すっと口にいれると舌にじわーっと広がる甘さに感動。
眠れなくなるのであまり夜寝る前には飲まないほうがいいそうです。



今日摘んだ茶葉の他にも、出来上がった新茶1袋まで
お土産にいただきました。
最後に吉田さんのご紹介で、抹茶を製造している山政小山園さんの工場も
見せていただき、今回は終了となりました。

1年で一番忙しい中、貴重な機会を私たちにくださった吉田銘茶園さん、
本当にありがとうございました。
そしてご参加くださいました会員のみなさん、
ありがとうございました。 お疲れ様でした!


文/山村純也  写真/らくたび会員 鴨田一美様

  
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2007年05月04日

ゴールデンウィーク!新緑の醍醐山登山

5月4日は「みどりの日」です。その日にふさわしく、新緑を愛でよう!
と、いつもとはちょっと趣向を変えて、
今回のらくたび講座は醍醐登山に決定。
一口に醍醐寺と言っても、実はふもとの下醍醐・山上の上醍醐と
分けられるほど広く、醍醐寺を訪れてもほとんどの方は
上醍醐にまでは足を踏み入れていないのではないでしょうか。


当日、空は晴れ渡り、ときにそよ風が心地よく頬をなでる
絶好の登山日和となりました。
醍醐寺、と聞いて頭に浮かぶのは豊臣秀吉が催した盛大な
「醍醐の花見」ですが、太閤ご自慢の桜達は
つい半月前を忘れたかのように青々とした若葉を茂らせていました。


集合場所の三宝院前から金堂に五重塔・・・
と説明を聞きながら移動するうち、だんだんと参加者の皆さんの間に
軽い緊張感が漂ってきた、と思ったのは気のせいではないでしょう。
登り口には貸し出し用の杖もあってかなり本格的です。
不動明王像に水をかけて道中の無事を祈願して、いよいよスタート。


道はある程度整備されていて、木陰だからそれほど暑くもなく、
可憐な草花も目を癒してくれました。
登山道では初級コースといったところでしょうか。
それでもウソはつけません。
覚悟はしていたものの、相当きつい道のりでした。
ここを豊臣秀吉も登ったというから驚きです。


数回の休憩を入れつつ、全員がなんとか無事に目的の上醍醐へ。
ここで楽しみにしていたのが醍醐水です。
醍醐寺の開山・理源大師に、この土地の神様がこんこんと湧き出る水を示し
「醍醐味なるかな」といわれたという言い伝えにより
寺の名を醍醐寺としたのだとか。
またそこから仏教の最上の教えをそう呼び、
転じて物事の本質的な良さをあらわす「醍醐味」という言葉が
生まれたのです。
どれほどの美味かと期待していたのに、残念ながら醍醐水は
渇水のため飲むことが出来ませんでした。
まぼろしの水を想像しつつ持参したお茶でのどを潤し、また登ります。


准胝堂、薬師堂、五大堂に開山堂まで点を結ぶようにめぐって・・・・・・


たどり着いた場所はまさに絶景!折り重なるような山の向こうに
小さな伏見桃山城のシルエット、さらに向こうはかすむ町並み・・・
一同しばし陶然として景色を眺めていました。


さみしいような嬉しいような勢い任せの帰り道、
行きの半分もかからず下界へ降りて理性院へ。
こちらは拝観できるお寺ではありませんが、この時期の藤の美しさは
一見の価値あり、です。門の外からそっと垣間見るというのも、
なかなかに奥ゆかしくてよいのです。
理性院を後にしてそのまま北上し、朱雀天皇陵と醍醐天皇陵の前を通って、
地下鉄小野駅まで行って解散となりました。


盛りだくさんの一日のしめくくりは、随心院に伝わる小野小町と深草少将の
悲恋物語でした。

小野小町に恋をした深草少将は百夜通いの誓いを立てるのですが、
あと1日というところで倒れてしまうのです。
今日の私達のようにみんなで励ましあって歩いていたら、
深草少将も約束を守り通せたかもしれないなあと思ったのでした。

記:あさがお

  
タグ :京都醍醐寺


Posted by らくたび  at 11:21Comments(0)山科~醍醐エリア