2013年07月15日

7/7 唐招提寺の蓮と荘厳な金堂や三重塔が建つ薬師寺

7月7日のらくたび京都さんぽは、鑑真和上ゆかりの唐招提寺で蓮を鑑賞し、
薬師寺では金堂や三重塔など白鳳時代を彷彿とさせる境内を歩き、
お昼はレストラン・アムリットでパスタランチを頂きました。


出発は近鉄の尼ヶ辻駅。滅多に下りることのない駅ですが、
駅の近くには巨大な前方後円墳、垂仁天皇陵があります。
大きな墳丘は山のようですが、地図で見ると綺麗な鍵穴の形をしています。


垂仁天皇陵の濠の中には、天皇のために不老不死となる果物を探してきた
タヂマモリの墓という墳丘があるのが面白いです。
残念ながら果物は間に合わず、天皇が亡くなったのを知ってタヂマモリも
泣き叫びながら亡くなったとされます。


一気に歩いて、唐招提寺へとやってきました。
この日は35℃に迫る厳しい暑さでしたが、青空は綺麗です。


金堂では、全宇宙を照らすという本尊・盧舎那仏像
現在も千本近い手を残す千手観音像、
薬壺を持たない古式の薬師如来像と、
いずれも国宝の仏像と向き合えます。若村先生の解説にも熱が入りました!


境内を先生から順番に解説して頂きながら奥へと進んで行きます。
唐招提寺を開いた鑑真和上の御廟へと向かう道は
木漏れ日が射してとても美しい場所でした。


そしての鉢が置かれた一角へ。
どうやら今年は蓮の進みが少し遅いようで、
咲き乱れる形ではありませんでしたが、綺麗な花を見ることが出来ました。


また、休憩所の横にも珍しいグラデーションのが咲き、
目を楽しませてくれました。


唐招提寺をじっくりと回った後は、南にある薬師寺へと向かいます。
途中には夏らしくスイカが売られていました。


薬師寺も広い境内と巨大な伽藍を持つお寺です。
東塔は解体修理中ですが、まるでビルのような存在感でした。
私たちが小さく見えますね(笑)


昭和56(1981)年に復興された西塔は色彩も佇まいも美しい塔です。
三重塔ですが、裳階(もこし)という飾り屋根が付いているため、
幾層もあるように見えます。


金堂も大きな建物。内部では白鳳時代の薬師三尊像と向き合えます。


続く大講堂には、京都では珍しい弥勒如来像があります。
釈迦の死後、56億7000万年後の未来に姿を現すとされる仏様。
大講堂の裏には、仏足石も残されています。


唐招提寺と薬師寺を満喫して、いよいよお待ちかね(?)のランチタイム。
薬師寺の南にあるリストランテ・アムリットです。
アムリットには「不老長寿の薬」の意味があるそう。


まずは小さな前菜の盛り合わせ。
一つ一つがしっかりとした味わいで美味でした。


そしてメインは、
かぼちゃとモッツァレラチーズのトマトソーススパゲッティ
お皿の横にパスタを巻くスプーン代わりのくぼみが付いていました。
皆さんと歓談しながらおいしく頂きました


デザートもさっぱりとしていて、満足させていただきました。



この後、西ノ京駅で解散となりました。

梅雨明けと変わらない猛暑となった奈良でしたが、
風景は広く美しく、古墳や仏像、大伽藍と、
京都とは一味違った歴史の深さを感じられた散策だったと思います。
遠方からを含め、多くの方にご参加いただきましてありがとうございました。

  


Posted by らくたび  at 00:10奈良エリア

2011年10月24日

10月16日(日)奈良たび!日本最古の道・山の辺の道を訪ねて



昨年の5月から久々の 奈良たび です!
今回は「 日本最古の道・山の辺の道 」約 14km 近く歩くという散策。
みなさん、リュックにスニーカーと、万全の体勢で挑みます!

天理駅から長〜い商店街を歩き(この商店街、私は京都の三条商店街に似てるなと思いました)、その先には天理教教会本部が!
日本で唯一の宗教都市・天理ということで背中に「 天理教 」と書かれたハッピ姿の方がたくさんおられました。


巨大です!、一同ちょっと驚き!


さあ、いよいよここから山の辺の道へのスタートです。
まずは伊勢神宮と並び、日本最古の創建とされる神宮・石上神宮(いそのかみじんぐう)へ。


かつてはこの辺りの豪族であった物部氏の祖先が氏神として崇めていたこの石上神社を朝廷が武器庫として利用したことから、物部氏が武器の管理、やがては軍事全般を支配するようになったと考えられています。


そのことからこちらのご祭神のひとつ 都御魂大神( ふつのみたまのおおかみ )は、古代の鉄剣が神体である布都御魂剣( ふつのみたまのつるぎ )に宿る神霊だとか。
興味深い歴史です。


山の辺の道の途中、芭蕉や柿本人麻呂など、多くの歌人の歌碑が所々に点在します。


そしてこちらは今は無き 内山永久寺( うちやまえいきゅうじ )の広大な境内図。
永久年間( 1113年-1118年 )に鳥羽天皇の勅願により創建された大寺院。


かつては興福寺にも劣らぬほどの力を持ち、多くの伽藍を備える大寺院でありましたが、廃仏毀釈により明治期に廃寺となったそうです。現在は跡地の池が残っているだけで歴史のきびしい流れを感じました。

「 このお寺が現存していれば奈良の歴史も大きく変わっていただろう 」と
山村先生のお話が印象的でした。

スタートから約2時間が経ち、みなさん「お腹空いた〜!」とICON47
途中、無人の売店がたくさんある中、何も食べずに歩いてきましたがかなり限界・・・。


やっとのことで 空海創建の長岳寺を前にランチタイムICON157ICON59
それぞれの持参したお弁当を食べて、おかし交換なんかしてICON64
お腹を満たしたところで散策再開〜。

やってきました! 古刹・長岳寺(ちょうがくじ )。
天長元年(824)淳和天皇の勅願により弘法大師空海が 大和( おおみわ )神社の神宮寺として創建。


鐘楼門上層に鐘を吊った遺構がある
こちらは日本最古の鐘門で、空海が創建された当初から残る唯一の建物だとかICON35
なんと! 1180年以上も前とはすごいなぁface08


本堂前の広い庭は浄土式庭園になっており、四季折々の花が美しく咲くことから
関西花の寺・第十九番霊場となっています。


たっぷりと奈良の古刹を堪能した後は、のどかな山の辺の道を進み古墳群へと向かいます。


実在した初代の天皇とされている崇神( すじん )天皇陵や、景行( けいこう )天皇陵など巨大な前方後円墳を見学しました。

写真のこんもりとした木立が天皇陵。


航空写真から前方後円墳というのが見て良くわかりますね。


さていよいよ散策も終盤にさしかかり、檜原神社( ひばらじんじゃ )に到着!
この後訪れる大神( おおみわ )神社の摂社です。


しかし、歴史は深く、伊勢神宮に御祀りされている天照皇大神の御神霊はこちらから遷されたという史実が残っています。そのことから 元伊勢 と呼ばれているそうです。

こちらの鳥居は珍しい三ツ鳥居・・・神明鳥居が三つ横に並んでいます。
京都の三ツ鳥居と言えば蚕ノ社ですが、いろんな鳥居があるんですねICON116


少し日が暮れてきて、高台にある神社の注連縄越しに見える二上山のシルエットが美しいです。
この後の夕焼けキレイやろな〜ICON64


そして最後の目的地・大神神社( おおみわじんじゃ )へ。
大神神社は 【 大和国一宮 】 とされ、三輪明神、三輪神社とも呼ばれているそうです。


大物主大神( おおものぬしのおおかみ )がご祭神で、日本神話によると「日本最古の神社」と称されているとか。日本国内で最も古い神社のうちの1つであると言われてます。
三輪山そのものを神体( 神体山 )とした神社で、本殿を持たないので立派な拝殿から三輪山を仰ぎ見てご参拝し、今日の散策は無事におしまいface01

約14kmの散策、ほんとによく頑張りました!
これも皆さんと一緒だったから、途中脱落もなく楽しく歩けたんですね。

お天気にも恵まれ、心地よい風に吹かれて、最高の秋ICON122の散策でした。
皆さん、お疲れさまでした〜ICON59
次回のならたびが楽しみで〜す。

                                                          文・写真/らくたび会員 奥村なるみ












  


Posted by らくたび  at 21:00Comments(4)奈良エリア

2010年05月03日

平城京遷都1300年記念!平城京跡見学と美仏を訪ねて

一年ぶりの 『 らくたび in 奈良 』 、そうです!、『 ならたび 』 です!

昨年は、東大寺→春日大社と王道コースでしたが、
今年はなんといっても平城遷都1300年ということで、イベントが行われている
平城宮跡に行きました。
近鉄電車・大和西大寺駅で集合だったのですが、駅に着くとそこは……
人!、人!、人~!! 
さすが遷都1300年を記念するイベントが行われているだけありますね。
駅から約15分ほど歩いたでしょうか、見えてきました! 広大な緑の芝生、
そして、すでにここからイベント会場の平城宮跡なんですね。
とにかく広さに驚きです。





この敷地内を近鉄電車が走っているんですよ~。
そういえば奈良に向かう車内から、遠くに朱雀門が見えてますよね。
あたり前ですが、電車が通るたびに遮断機が降りて、
人の通行がストップするんです。
これぞ奈良、といった風景です(笑)



平城宮跡には二つの大きな建物があります。
ひとつは 『 朱雀門 』 で、1998年に再現されたものです。
そしてもうひとつは、今回当時の建物を再建された『 大極殿 』 です。
当時は天皇の即位式や外国使節との面会など、国家的な重要儀式のために
使われた建物だったそうです。この大極殿がメインなんですが、
長蛇の列で待ち時間が1時間とも、2時間とも・・・、
さすがにこれは待てません。今度各自で訪れるとしましょう。



会場マップを見ていると 【 第一次大極殿 】 と印がありますが、
恥ずかしながら 「 なんのこと? 」 状態の私。
なんでも大極殿は、 【 第一次 】 と 【第二次 】 があったそうです。
先ほどの大極殿は 【 第一次 】 で、後に再建されたのが 【 第二次 】 です。
現在は再建されていませんが、 【 第二次大極殿跡 】 として基壇のみが
残されています。ここから見る景色もキレイですよ♪ 
遠くに青々とした若草山が印象的でした!

さて、この後は一般的な観光なら東大寺へ、となるのでしょうが。 
私たちは『 らくたびさんぽ 』 ですからね~、ちょっとディープな散策へと
至ります(笑)。



訪れたのは法華寺。奈良時代に日本総国分尼寺として建立されたという
立派なお寺です。奈良時代の権力者であった藤原不比等の邸宅跡に、
聖武天皇 (東大寺大仏さんを建てられた天皇です )のお妃様である光明皇后が
伽藍を設けられたことが始まりとされています。
その由緒から御本尊の国宝の十一面観世音菩薩像は光明皇后のお姿を刻んだと
されています。それはもう美しく優しいお顔立ちの観音様でした。
季節折々の花が咲く境内では、ミニコンサートが開かれており、
ほのぼのとした雰囲気に包まれていました。

そして次は特別公開されている十一面観音菩薩立像にお会いするため
海龍王寺へ。こちらも光明皇后ゆかりの寺院です。
皇后が自ら刻まれた十一面観音像をもとに、鎌倉時代に慶派の仏師が
刻まれた観音様です。腰をクネっとひねったようなフォルムが美しく、
すっと伸びたしなやかな腕がまた奇麗。すばらしい観音様でした。
そしてもうひとつ驚いたのは、西金堂内に建つ五重塔! それも国宝!!
天平時代の建築技法を現在に伝える貴重な文化財だそうです。
4メートルと五重塔としてはミニチュアサイズですがほんとに精密に
作られていることに感動しました(笑)

海龍王寺を後にして、ここで一時解散。
数名の方は各自お帰りになりましたが、ほとんどの参加者は駅に向かいました。
その道中、いくつかの古墳に遭遇。



知らずに見ると「 林と池 」なんですが、なんとこれが古墳!奈良というところは
普通にあのような風景を見ることができるんですねぇ。
そして第52代の平城天皇 (へいぜいてんのう )の陵墓がありました。
平安京時代の天皇の陵墓がこちらにあるんですね。知ってはいたけれど
実際に目にするとちょっと変な気がしました。帰路に平城宮跡の北側を歩いていると
大極殿が見えてきました。こちらから見える広々とした芝生の先にある大極殿も立派でした~。



奈良はどこも広々としていますね。京都とは違いなんとなくのんびりとした気持ちになります。
京都と奈良、どちらも歴史があり興味深い町です。
個人的には奈良の仏像にはまりそうです(苦笑)

みなさま、次回の【 ならたび 】が楽しみですね。
らくたびさま、楽しい奈良の企画を期待していま~す。

                                        文:らくたび会員 奥村 成美 様
                                        写真:らくたび会員 鴨田 一美 様
  


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2009年05月03日

「ならたび」 東大寺・春日大社・興福寺を訪ねて



初めての奈良での開催となった京都さんぽ。その為今回は
「ならたび」と銘打たれています。集合場所である近鉄奈良駅の行基菩薩噴水前には
30名の参加者が集まりました。



初めての奈良ということもあり集合した参加者の皆様のテンションは
いつもより高いようです(笑)。

今回のならたびでは、日本で二番目の広さを誇る奈良公園に点在する
東大寺・春日大社・興福寺と奈良観光の王道をめぐります。
さすがにGWですね、奈良公園一帯は大勢の観光客が訪れていました。



まずは 東大寺 を訪れます。
東大寺は8世紀に聖武天皇が国力をつくして建立した華厳宗の大本山です。
奈良の大仏として知られる昆盧舎那仏が御本尊で、
国宝の 南大門 が出迎えてくれます。

この南大門には慶派の仏師によって作られた8.4mの木造金剛力士像があり、
門をくぐる人達を厳しい眼で睨んでいます。



南大門をくぐるといよいよ 大仏殿 が見えてきます。
大仏殿は創建以来2度にわたる兵火によって焼失しており、現在の大仏殿は
江戸時代に再建されたものです。横幅は創建当初より3分の2に
縮小されていますが、木造建築物として日本最大級を誇っています。

大仏殿にはある昆盧舎那仏は創建当初の部分が台座、腹、指の
ごく一部し残っていませんが国宝に指定されています。
尊像は像高が14.98mあり重さは380tと推定されています。

その大きさはまさに圧巻!!その大きな御身体で多くの人々を
救ってきたのでしょうね。ちなみに螺髪は966個。多い……



大仏殿を後にした一行は、お水取りの行事が行われる 二月堂
国宝の不空羂索観音がある 三月堂 をそれぞれめぐります。

二月堂からの眺めはとても綺麗でしたねえ。
その後一行は昼食のため一旦解散となりました。



昼食後、再集合した一行は 春日大社 を目指します。
西回廊にある慶賀門を入った所に「砂ずりの藤」が棚作りであります。
花房が1m以上にも延び砂にすれるということから
この呼名がつけられたそうです。
ちょうど見頃を迎えており紫の花がとても艶やかでした。



参拝の後長い表参道を西へ下り最後の目的地である 興福寺猿沢池
目指します。奈良公園の西端に位置している興福寺も見所が満載です。

国宝である五重塔。薬師如来、日光・月光菩薩が安置されている東金堂。
さらには西国三十三所観音霊場9番札所である南円堂。
ほとんどの建築物・彫刻が国宝・重要文化財に指定されている
魅力溢れる寺院です。しかし、阿修羅像を含む八部衆、十大弟子は
東京・九州へお出かけをされているため
残念ながら小顔でスリムなその御姿を拝見することはできませんでした。

今秋には再び拝見することができますので、秋には必ず会いに来ます!!



南円堂を下がった所に猿沢池はあります。
天平21年(749年)に造られた人工池です。

澄まず濁らず、出ず入らず、蛙湧かず藻が生えず、魚七分に水三分

という七不思議や幾つかの伝説がありとても不思議な池です。
興福寺五重塔が周囲の柳と一緒に水面に映る風景はとても美しく、
奈良八景の一つとなっています。

今回のならたびは猿沢池で解散です。
初めての奈良での開催。天候にも恵まれ非常に満喫できました。
今後、2回・3回と続くことを期待しながら奈良をあとにしました。


文/らくたび会員 森田和宏様  写真/らくたび会員 鴨田一美様


  
タグ :奈良


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