2006年07月23日

拾翠亭で「闘茶」「貝合わせ」と御手洗祭の夕涼み



江戸時代には200もの宮家や公家の邸宅が建ち並んでいた京都御苑。
そこに残る拾翠亭は五摂家のひとつである九条家の敷地内に建てられた茶室です。



今回はその拾翠亭を貸し切り、九条池を望むお座敷で
いにしえの「闘茶」と「貝合わせ」という昔遊びを
現代版にアレンジして愉しむ会を催しました。

お天気はあいにくの雨だったのですが、雨音が静かなBGMとなり、
和の空間に趣を添えてくれました。



さて。日本でのお茶の歴史は、鎌倉時代に栄西禅師によって
もたらされた茶が栂尾の高山寺の明恵上人にわたり、
そこで栽培されたことにはじまりますが、 栂尾の茶が「本茶」とされ、
それ以外の茶は「非茶」と呼ばれていました。

「闘茶」とは当時、栂尾の「本茶」を当てる遊びであったといいます。
らくたびでは現世で主流のペットボトル緑茶をもちいて
闘茶遊びをこころみました。
「生茶」「伊右衛門」「おーいお茶」などと、
最近流行りのそれらの「濃い味」を 5種用意しました。

参加者の方3人ずつ目隠しをして対決していただきます。
進行役が任意で選んだ緑茶を「本茶」とし、
最初に本茶を味わっていただいた後、1種類ずつ計5種類を
飲んでいただくのです。
5種類のうちひとつだけが最初に飲んだのと同じもの(=本茶)です。
その本茶が出てきた順番が何番目だったのか、
最後に当てていただくというものです。
ひと口ごとにコメントをいただきながらの対決に、
会場は笑いに包まれました。
簡単そうに見えるのですが、これがなかなかムズカシイのです。
しかしながら、「キレがある」など鋭い味覚で見事本茶を当てた参加者も。
おめでとうございます! !



次は2階の座敷で「貝合わせ」です。
貝合わせは平安時代の遊びで、 ハマグリを分けて広げ、
対になるものを当てる、元祖「(トランプの)神経衰弱」のようなものです。
次第に絵や和歌が描かれ雅なものになったとか。

実は、なにを隠そう、このハマグリの貝がらは
らくたびスタッフが一ヶ月前から各家庭で
せっせと食べて集めたものなのデス。
分けて広げてみると、どれもおなじような形にみえるのですが、
対になってるもののみがぴったり合うという貝。
対でないものはどんなに似ているものでも合わせると
微妙にずれてしまうのです。



貝合わせも終わり、拾翠亭を後にしました。



次は広々とした京都御苑を散策しながら下鴨神社の御手洗祭へ行きました。
境内の御手洗池に足を浸してろうそくをともし、無病息災を願うというものです。
雨にもかかわらず多くの人が訪れていました。
ひんやり冷たい池の水。夏の夕暮れの涼を楽しめたひとときでした。

会員のみなさま、ご参加くださいましてありがとうございました!
今後も季節にそった様々な企画を創っていきたいと思いますので、
どうぞよろしくお願いいたします。

  


Posted by らくたび  at 16:39Comments(0)御所~下鴨エリア