2009年01月12日

冨田屋の白みそ雑煮と北野天満宮新春初詣



今日はお正月の松の内ということもあり、おせち料理と白みそ雑煮をいただく
という季節感たっぷりの京都さんぽです。
そんなテーマだったので、綺麗な「おべべ(着物)」姿の方も
多く参加されてました。
京都のお正月らしく華やかなご一行さんでのスタートとなりました(笑)



今出川駅を出発し、武者小路通りを西へと進みます。
この辺りは史跡や石碑が多く立ち並んでいるエリアです。

まずは、三千家のひとつ武者小路千家の由緒あるお茶室 官休庵 に到着。
もちろん中に入ることはできませんので、記念撮影のみとなりました。

そして、民家の路地を通り抜けて行きます。
この路地を 狩野図子 といいます。文字通り狩野派の絵師が
代々邸宅としてきたお屋敷があった場所なんです。

今でも 狩野元信邸宅跡 の石碑が立っています。
なんでもない路地にも名称があるところが、さすが京都です。



一行は今出川通りに出て 白峯神宮 に到着しました。境内にある地主社に祀られている
精大明神は蹴鞠の神様とされています。
「蹴鞠の碑」という石碑があり、球技上達の「撫で鞠」として有名で
多くの方がこの鞠を撫でるために参拝します。
今では球技全般・スポーツの神様として厚く信仰されています。

次に堀川通りを渡り、 晴明神社 に向かいます。平安時代の大陰陽師・
安倍晴明を祭神とした神社で、この辺りの氏神さんでもあります。
参拝をすませて、さあ!冨田屋さんまではもう少しです。



大宮通りを北へ向かうと、西陣くらしの美術館・ 冨田屋 さんの建物が見えてきました。
広く延びる壁からその建物の大きさが伺えます。
立派な染め暖簾をくぐると、お正月の赤と白の餅花が出迎えてくれました。
ここから京町家の正月の始まりです。

まず上がらせていただいたお部屋には、立派な屏風が飾られています。
これは、お正月のみ飾られるという土佐光起の作品だとか・・・・・・すごい!

奥の間の床の間には、お正月の掛け軸と、鏡餅が供えられています。
本来1月11日が鏡開きですが、日延べして私たちをお迎えくださいました。
こちらには今は珍しくなった年神さんである歳徳神(としとくじん)
という神様をお祀りします。
組み立て式の特別な神棚を部屋の天井からぶらさげ、そこに神様をお迎えします。
この神棚は360度回転式で、歳徳神さんがおみえになる恵方に向かって
お参りできるようにくるりと回すことができるそうです。
今年の恵方は東北東なのでその方向に回してあります。
節分までこのままお祀りして、節分が終わるとバラバラに解体し、
大切にお蔵に片付けるそうです。



そして冨田屋13代目・田中峰子さんのお話が始まりました。
西陣の古くから伝わる町家での1年の過ごし方、習わし、
大切にしたい決まり事を1年を通してお話いただきました。

師走から始まり、正月のしつらい・七草粥・小豆粥、2月の節分。
3月には雛祭り。冨田屋さんには代々の100体以上のお雛さんがあり、
それがずらーっと並ぶそうです。
その雛祭りの時には、ひちぎり餅 をいただきます。

春、4月になると平野神社でお花見を。
5月には大将さんを飾り端午の節句。
6月になると夏越の祓い。
7月の七夕さんは、西陣という地ならではで 「織り姫さん」にちなみ
笹飾りも盛大に。
そして、夏、千本閻魔堂でお精霊迎えをし、大文字の送り火。
子供達のお楽しみ地蔵盆。
9月になると1年で最も大切な節句・重陽の節句。
いのこもち をいただき、お火焚きさんで手紙を焼く。
そして、また師走がやってくる。

なんだか聞いていると風情がありとても贅沢な1年の過ごし方
と思いますが、昔の人はこのような時間をあたり前のように
過ごしていたんでしょうね。
今の時代に生きる私たちの方が余程贅沢なはずなのに、
なんとも羨ましく感じました。



いよいよ奥座敷に通していただき、お待ちかねのおせち料理と白みそ雑煮です!
おせち料理は、黒豆・たたきごぼう・千枚漬けの3種です。
京都のお雑煮、白味噌のあまいお雑煮です。
大根の白梅と、金時人参の紅梅が可愛らしい。
白味噌の中には、今朝つきたての白い丸餅が入っています。
いつも家で食べる慣れ親しんだ白みそ雑煮ですが、
このお雑煮は格別に美味しかったです。



心も身体も温まり、 北野天満宮 に向かいました。
まだお正月飾りが残る上七軒を通り境内へ。ここでは「北野天満宮七不思議」を
丁寧に説明していただきました。やはりひとつひとつ目にしながら
説明していただくと、とてもわかり易いですね。

最後に若村先生ならでは説明をひとつ・・・・・・絵馬所にある「誠」の字。
こちらに掲げられた額の文字を近藤勇が見て、ご存知、新撰組の「誠」の
旗を作ったとか! 一同、へぇ~!!!と大興奮でした(笑)
北野天満宮に行かれることがあれば、絵馬所で「誠」の額を
探してみてくださいね。ヒントは、西の端です。

今日はこのような伝統的なお正月を体験させていただき、
ありがとうございました!京都の冬らしいとても寒い1日でしたが、
天神さんの境内の梅もちらほら咲いており、
少しずつ春はやってきています。春のさんぽも楽しみですね。


文/らくたび会員 奥村成美様  写真/らくたび会員 鴨田一美様

  
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Posted by らくたび  at 16:37Comments(0)西陣~北野エリア

2009年01月10日

新春の初ゑびすと七福神まいり


2009年第1回目のらくたび京都さんぽは「初ゑびすと七福神まいり」です。
実は私、、、これまで初ゑびすに行ったことがなかったので、
この日が「人生初の初ゑびす」。
どんなものなのか期待をいっぱいに南座前をいざ出発です。


最初に向かったのは 八坂神社 。こちらでは毎年1月9日・10日の2日間に限り
八坂神社内の3つの摂社を巡る「三社詣(さんしゃもうで)」ができる
ということで、全員で参拝することとなりました。境内には

♪♪ 商売繁盛で笹持って来い!祇園のえびすに笹持って来い ♪♪

のメロディーが流れる中、まずは「祇園のえべっさん」として
親しまれる北向蛭子社(きたむきえびすしゃ)へ向かいました。
小さなお社ですが平安時代からの歴史を持ち、大阪の今宮戎は
もともとはこちらの氏子さんだった方が大阪に移られた時に
お祀りされたことに始まるそうです。

こちらのご利益はもちろん「商売繁盛・開運招福」。
お参りをした後、巫女さんに祈願の鈴を鳴らしてもらって
ご朱印をいただきます。なかなか楽しい!


2つ目は「良縁成就・家内安全」の 大国主社 です。
おっと、ここは念入りにご祈願しておかないといけません。

そして最後は「厄除・災難除」の御本社へお参りをして
三社詣でのご朱印が全て揃いました。神社の方のお話では、
このご朱印は福を呼び込む縁起ものなので、
家族が集まる場所に飾っておくといいそうです。
わずか20分程でなんだかとってもたくさんの福を
いただいた気分になりました。

この後、境内にある美御前社(うつくしごぜんしゃ)で身も心も
美しくなれるようお参りをし、次なる目的地へ向かいます。

円山公園はこの時期はさすがにひっそりとしていました。
でもあと3ヶ月もすれば園内は桜色に染まり、
お花見客で賑わうことでしょう。
円山公園のシンボルとなっている枝垂れ桜は81才を迎え、ここ数年元気がなく
心配ですが今年も頑張って花を咲かせて欲しいですね。


ねねの道を通って次に到着したのが 圓徳院 にある三面大黒天。
かの豊臣秀吉が出世の守り本尊としたものだそうで、“三面”の名の通り
大黒天(福の神)、毘沙門天(勝利の神)、弁財天(学問・芸術の神)が
合体した非常に珍しいお仏像です。

この圓徳院は秀吉の妻である北政所ねねが晩年に過ごした所で、
ねねの兄である木下家定がこの辺りを守っていたそうです。
木下家については戦国時代が大好きな山村先生が
自作の家系図を使って説明して下さりました。

そういえば今年の大河ドラマの「天地人」は戦国時代のお話です。
舞台となるのは越後の方だけだと思っていたのですが、
どうやら京都も関わるようです。
戦国時代は人間関係がややこしく理解するのがとても大変そうなので、
山村先生、この1年は折りにふれてご解説よろしくお願いします。

続いて安井金比羅宮、建仁寺、六道珍皇寺を見学後、
六波羅蜜寺 に到着しました。こちらではお正月の3日間、
無病息災のご利益がある皇服茶が振舞われますが、
今日は都七福神めぐりの1つ、弁財天をお参りします。

弁財天は学問・芸術の神様であると同時に財(お金)の神様
でもあります。今日はホントにお願いづくしの1日ですね。


そして最後はお待ちかねの 恵比須神社 へ向かいました。
大和大路通りには露店も立ち並び、吉兆笹を持つ参拝者で大賑わいです。
恵比須神社は建仁寺を建立した栄西禅師が唐(中国)に向かう時に
海難に遭い、ゑびす神に助けられたことから建仁寺の守護神として
創建されました。

このことから恵比須神社は商売繁盛の神様、そして交通安全の神様
としても親しまれています。普段は比較的静かな神社なのですが、
1月8日~12日の「十日ゑびす大祭(初ゑびす)」では
連日華やかな神事が行われます。
この日は土曜日とあってか神社へ入るのにも長い長い列が。
初ゑびすに初参加の私はいつもと違うこの様子にかなりびっくり!!


境内に入ると元気な巫女さん達によって笹や笹に付けるお飾りが売られていました。
笹はまっすぐ育ち、年中青いことから縁起がいいと考えられているそうです。
昨年から続く不況を反映してでしょうか・・・・・・今年のお正月の初詣では
伏見稲荷大社など「商売繁盛」のご利益のある神社へのご参拝が
とても多かったと聞きました。
早く景気が回復して2009年が良い年となるといいですね。

そうそう、恵比須神社では参拝時に忘れてはならない儀式(?)があります。

本殿の正面で参拝後、左手に廻り、本殿横の板を叩いて再度お願い事を
するのです。これはご長寿でちょっぴり耳が遠いゑびす様に耳元で

「よろしくお願いしますよ」

と念押しをしているのです。
ゑびす様、らくたび一同のお願い事を叶えて下さいね。


恵比須神社を参拝した後は各自で露店の見物を楽しみました。
私はここで初めて「ベーコンエッグたい焼き」
(たい焼きの形で中にベーコンエッグが入っているのです!皆さんご存知でしたか?)
というものを食べ、とても感激しながら京都さんぽを終えました。

この日は時折雪もちらつく少々寒い1日でしたが、皆さんで
わいわいお喋りしながら楽しい時間を過ごすことができました。
それぞれの神様に十分お願いをして、これでこの1年は安心です。

でも最後はやっぱり・・・・・・ 「笑う門には福来る!」。
今年もらくたび仲間さん・らくたびスタッフさんと一緒に
大いに笑って、たくさんの福を呼び込みたいものです。
皆さん、どうぞよろしくお願い致します。


文/らくたび会員 森明子様  写真/らくたび会員 坂田肇様
  


Posted by らくたび  at 16:15Comments(0)祇園~円山エリア