2012年05月27日

5月20日(日) 優雅な三船祭と悲恋が残る嵯峨野めぐり

5月20日(日)のらくたび京都さんぽは、新緑の美しい嵐山にて
平安貴族の船遊びを再現した三船祭を見学し、
平安時代に世をしのぶ女性が隠れ住んだ嵯峨野を歩き、
最後は嵯峨祭のお神輿が並ぶ清凉寺前のお旅所を目指して散策しました。


出発は阪急の嵐山駅。三船祭が行われるとあって
人も多めです。まずは法輪寺から。
法輪寺へは階段を上っていきますが、見事な新緑もみじが迎えてくれました!



法輪寺には電電宮というちょっと珍しいお社があり、
電気・電波の神である電電明神が祀られていますよ。


法輪寺からは抜群の眺望を楽しむことができます。
山村先生が、送り火や山々を丁寧に解説して下さいました。
ちょうど三船祭の一行が渡月橋へと向かってくる場面も目撃です!



法輪寺から櫟谷(いちだに)宗像神社を経て、渡月橋まで来ると、
三船祭の牛車が到着していました。



三船祭を見学する前に、小督(こごう)塚に立ち寄りました。
小督局は平安時代、その美貌と琴の音色で高倉天皇に愛された女性でしたが、
娘を高倉天皇の妃としていた平清盛の圧力によって嵯峨野に隠れ住むことになりました。
それでも彼女を探しに来た天皇の使いは、美しい琴の音色から見事に小督を見つけ出したという
ロマンチックな物語があります。



さて、いよいよ三船祭の船遊びが始まりました。車折神社の御祭神も御座船にお乗りになり、
龍頭船では雅な舞が披露されています。時代をタイプスリップしたかのような光景ですね!



私たちも平安時代の船遊びの世界をじっくりと堪能させていただきました。



名残を惜しみつつ三船祭を後にして、嵐山公園を散策します。
保津川を開削した角倉了以(すみのくら りょうい)の像を解説中です。
円山公園の坂本竜馬像・三条大橋の高山彦九郎像と並ぶ
京都三大銅像の一つだそうですよ~!


嵯峨野の美しい竹林も抜けて行きました~!


輝く緑に包まれた野宮神社に到着です。
皮を残したままのクヌギを使った黒木の鳥居が印象的です。


野宮神社は伊勢神宮に奉仕する女性・斎宮が身を清めた場所の一つで、
源氏物語では光源氏と六条御息所の別れの場面で登場します。


嵐山の景色を再現した苔のお庭もありますよ。
橋が渡月橋で奥の灯籠が愛宕山!緑がいっぱいの境内でした。


嵯峨野散策を続けていると、土佐四天王像が現れました!
凛々しい表情をされています。



俳人・向井去来ゆかりの落柿舎(らくししゃ)の前。柿の木も緑の葉を茂らせていました。
辺りは長閑な風景が広がっています。山村先生が落柿舎の名前の由来を面白く解説中です。



桜と紅葉の美しい二尊院の前を経て・・・



祇王寺に到着しました!境内は柔らかい一面の緑に包まれて
「これぞ京都」といった空間です。


祇王寺は、平安時代の白拍子・祇王や仏御前ゆかりのお寺です。
祇王は清盛に気に入られた歌や舞の名手でしたが、仏御前の登場によって捨てられ、
母や妹とともに嵯峨野に隠れ住みました。
やがては仏御前も世を儚んでやってきて、皆で念仏三昧の余生を過ごしました。
境内には祇王のお墓と清盛の供養塔が並んでいます。



最後は、清凉寺の境内を抜けて、野宮神社と愛宕神社のお神輿が置かれている御旅所へ。
別々の神社のお神輿が並んでいるのが面白いですね。



今回の散策は、美しい船遊びに平安の雅を感じ、新緑に包まれた社寺をじっくりと巡りながら
心癒された散策だったのではないでしょうか。山村先生の優しい口調で語られる悲恋の物語も、
柔らかい緑によく似合っていました。気持のよい5月のひと時。
皆様、ご参加頂き本当にありがとうございました。



                                  ご案内 / らくたび代表・山村 純也
                          受付・添乗・文・写真 / らくたびレポーター・吉村 晋弥
  


Posted by らくたび  at 10:22Comments(0)嵐山~嵯峨野エリア

2012年05月21日

2012年5月13日(日) 江戸たび☆第3弾!両国へ


本日は晴天にも恵まれ 江戸たび☆第3弾~浜離宮から両国さんぽ~
スタートしました!スタート地点は 浜離宮恩賜庭園 です。

浜離宮恩賜庭園は徳川将軍家の鷹狩場から別邸として発展し、明治時代には
浜離宮となりました。そして現在は国の特別名勝・特別史跡に指定され有料で
開放されています。JR新橋駅から数百メートルの場所にあり東京湾に面した立地に
なっています。元祖東京のウォーターフロントですね。

鴨が気持ちよさそうに泳いでいます。


大都会と庭園とのギャップが、都会の喧騒から解放された気分にしてくれます。





庭園の中にある発着場から、 水上バス(東京水辺ライン) にて隅田川を北上し両国を
目指します。両国に着くまでに 隅田川に架かる14 もの橋を通過します。
黄色や赤・緑といったカラフルな橋も多く、目を楽しませてくれます。





橋によっては、頭上スレスレの高さを通過します。



隅田川から臨む 東京スカイツリー はとても雄大でした。



両国で水上バスから降りた後は、 両国の町 をらくたび一行がさんぽします。



両国橋は、江戸時代の大火事(1657年の明暦の大火)の際たくさんの人が逃げ場所を
失い亡くなったことから、江戸の都市計画として隅田川に架けられました。

両国というのは武蔵の国と下総の国の両方という意味です。橋のたもとには火が移らない様に
火除け地(大きな空き地)が作られました。そしてその空間が江戸有数の商業ゾーン・盛り場として
発展したのです。

現在の 両国橋 です。


両国国技館 の前。当日は大相撲5月場所の中日でした。櫓とノボリが象徴的ですね。


さあ、いよいよお昼御飯の時間となりました(^^)。場所は相撲部屋(旧宮城野部屋)であった建物を
使った割烹 吉葉 さんです。


店内の中央には 土俵がドドーン と配されており、稽古場としての臨場感抜群です。


お料理は豪華会席料理です。


食事の後、お店のご厚意により二階のしつらいを見せていただき、奥の深い建物美を
堪能させていただきました。ごっつあんです!!




食事の後は、若村さんガイドによる両国界隈の歴史散策のはじまりはじまり~♪

この向かい側が 北斎通 です。葛飾北斎の「葛飾」というのは、この地が下総国葛飾領で
あった事によるものです。


ここは 勝海舟生誕の地 です。


跡地に建つ喫茶店では勝海舟にちなんだ 勝カレー
いただく事が出来ます♪


吉良邸跡 です。あまりにも有名な 忠臣蔵の舞台 です。吉良家上屋敷は2550坪も
あったそうです。




明暦の大火で亡くなった人々を供養する為に建立された回向院(えこういん)の中にある
力塚(名力士の慰霊碑) です。寺院と相撲?実はここ回向院は相撲発展の舞台なのです。



~両国と相撲の発展について~
寺社建設費用を集める為の勧進相撲として江戸幕府から‘‘お墨付き”をいただいた相撲興行は
前述した両国の賑わいと共に発展し、ここ回向院の境内で数多く開催されました。近代になり、
明治42年に両国国技館(旧国技館)が建設され、昭和60年には新国技館が完成し現在に至ります。

ブラタモリでも取り上げられた 旧国技館の土俵のなごり です。これも土地の記憶?!



そして最後は両国駅で解散となりました。普段何気なく通過したり電車から眺めている街並みも、
らくたびで散策すると「歴史の奥ゆき」を感じる事が出来ます。そして何より、皆で歩いてまわるのって
楽しいですね。とっても有意義な江戸たびとなりました。皆さんお疲れさまでした!!


                               ご案内 : らくたび代表 / 若村 亮
                              写真・文 : らくたび会員 / 「ナオキ君のパパ」さま
                              ( ご協力ありがとうございました。 )
                                 


Posted by らくたび  at 11:32Comments(0)東京エリア

2012年05月11日

2012年5月5日(土) 宇治さんぽ 平等院&三室戸寺


5月5日(土)のらくたび京都さんぽは、藤原氏の栄華を象徴するお寺、
世界遺産の平等院 と、この時期2万株のツツジが咲き誇る関西屈指の
ツツジ寺・三室戸寺 を訪ねました。道中には源氏物語の世界を偲べる
スポットも点在しています。

出発は京阪の三室戸駅。この日の天気は快晴で、青空が広がり、日差しも
降り注ぐ初夏を感じる陽気。今年は平等院の藤棚には天候不順によって
花が咲いていないということで、代わりに鳳凰堂の拝観をすることになりました。

が!連休中ということで、世界遺産の平等院は大変な賑わいが予想されます。
そこで私(添乗・吉村)が一足先に平等院へ行って、鳳凰堂の拝観券を押さえて
くることに!頑張ります!

行ってみれば案の定、受付までに15分待ち、別売りの鳳凰堂のチケットも
2時間先がなんとか買えたというほどの大盛況!無事にチケットを入手できて一安心。
写真は、三室戸寺へ向かった一行に追いつくための移動中、宇治上神社にお神輿が
戻ってきている場面です。

私は三室戸寺の拝観には間に合いませんでしたが、きっと皆様はこのような見渡す
限りのツツジの絨毯をご覧になれたのだと思います!
境内には、源氏物語の宇治十帖にちなむ 浮船の古碑 もあり、若村先生が
情緒豊かに物語を語られたに違いありません(笑)

さて、三室戸寺から宇治上神社へと向かいます。途中には、平安時代に阿弥陀三尊が
線で描かれた石があり、こちらは源氏物語・宇治十帖の「蜻蛉(かげろう)」の巻に
ちなんで、 蜻蛉石 と呼ばれています。
およそ800年の時を経て、少し見えにくくなっている仏様の姿を先生が丁寧に解説して
下さいました。


宇治の世界遺産の一つ、 宇治上神社 へと到着しました。
本殿は今から1000年ほど前、西暦1060年代に伐採された木材を使用していることが
年代測定で判明し、 現存する日本最古の神社建築 なのです!
源氏物語で八の宮がひっそりと暮らしていた宇治の場面は、この宇治神神社の辺りが
モデルともされ、昔ながらの雰囲気が残る境内。
実は、結婚式も挙げられる神社だそうですよ~!


境内で自由時間を取りつつ、本殿に参拝です。
本殿は雨風を避けるための覆屋(おおいや)の中にあり、1000年も残ることができたのも、
覆屋の活躍が大きいそう!

御祭神は、応神天皇・仁徳天皇・宇治稚郎子(うじのわきいらつこ)。
応神天皇の皇子である仁徳天皇と宇治稚郎子の二人は、兄弟で皇位を譲り合った
エピソードを持ちます。


宇治上神社から宇治神社を抜けて、 源氏物語・浮船の巻 をイメージした石像の前へ。
浮船の物語が、若村先生から語られています。


赤い 朝霧橋 を渡って、宇治川の中州・中の島へ。朝霧橋の上からは風光明美な
宇治の景色が一望できます。
山並みは源氏物語の時代から変わっていないのでしょうね~!


中の島に到着です。宇治川は平安時代の末期、源平の戦いの舞台ともなりました。
若村先生が戦いの場面を熱く語られています。私は一足先に平等院へ。
一行からずいぶんと離れても、若村先生の大きな声は島に響き渡っていました~!
参加者様にはさぞ迫力を持って聞こえていたに違いありません(笑)


平等院 ではまず 鳳凰堂 から拝観。先にチケットを押さえていたので、
すぐに入ることができました。


浄土の世界へ行ってらっしゃいませ~!


現世に戻られた後は、 藤棚 の前へ。藤について若村先生が熱弁中!
長く枝垂れる藤は子孫繁栄に繋がり、平等院を建立した藤原氏にちなんで
植えられているそうです。藤棚には本当に藤がありませんが、これはこれで
滅多に見られない光景ですね!

でも、ほんの少しだけ咲いています。藤棚に残る貴重な藤です。


源頼政が自害した 扇の芝 の前へ。源頼政は、平氏が全盛を極める時代の中、
源氏で唯一、三位の高い位に任ぜられたため、源三位(げんさんみ)とも呼ばれました。
しかし晩年に平家打倒の兵を挙げ、この芝の上で最期の時を迎えます。
「埋もれ木の・・・」と時世の句を交えながら、若村先生から臨場感を持って語られています!


続いて鳳凰堂の正面へ。藤棚に花がない代わりに、池の前にはたいへん立派な
藤の鉢植えが置かれていました。
今年は例年とは違った角度から、藤と鳳凰堂の写真も撮ることができますよ。

池を背にそよぐ藤の花もとっても綺麗です。


若村先生から、末法の世や、九つの往生の段階(九品往生)に基づいて
仏様が結ぶ手の形(印相)について、軽やかなご説明が!
身振り手振りを交えながら、仏教の教えをとても分かりやすく語っていただき、
周りの一般の参拝者も聞き入っておられました!


鳳翔館(宝物館)の拝観を経て解散とさせていただきましたが、時間の許される
皆様とは塔頭などをたどりながら平等院を後にしました。
こちらは 源三位(げんさんみ)頼政のお墓 です。


最後は、宇治橋のたもとに立つ、 紫式部の像 の前へ。
式部も宇治の風光明美な景色を見ながら、源氏物語の宇治十帖を書いたことでしょう。

この日は、ツツジを眺め、藤にも出逢い、極楽浄土を垣間見て、源氏物語の情緒豊かな
世界にも触れることができた散策でした。

初夏を感じる陽気の中、ゴールデンウィークの一日を宇治で満喫することができたのでは
ないでしょうか。

参加者の皆様、お越し頂きありがとうございました!


                         ご案内 / らくたび代表・若村 亮
                 受付・添乗・文・写真 / らくたびレポーター・吉村 晋弥  


Posted by らくたび  at 18:12Comments(0)宇治エリア

2012年05月11日

2012年5月4日 天王山の戦いと大山崎を歩く


5月4日(祝)のらくたび京都さんぽは、羽柴秀吉と明智光秀が激突した
大山崎の天王山周辺を歩きました。
天王山の山頂にも登り、道中で山崎の戦いの物語も聞かせて頂きます。
この日は弱い雨が降ったり止んだりでしたが、その分空気は澄んで涼しく、
遠くの景色もよく見える散策日和でした。

出発はJRの大山崎駅。なんと駅前には、千利休が手掛けた唯一現存するお茶室を
持つ妙喜庵があります。交通の要衝として、深い歴史を持つのが大山崎です!

山村先生が本日の行程を説明中。指差す先に、目指す天王山があります。
皆さん、歩きやすい服装で来られています。

いよいよ天王山へ!初めは舗装された道ですが、実はこの日有数の急な坂でした~(笑)
宝寺で知られる宝積寺を目指します。

なんとか宝積寺の前に到着。険しい坂でした~(笑) 
宝積寺は、奈良時代の聖武天皇が、夢に現れた龍神から授かったという打出と小槌
奉納されているところから宝寺と呼ばれます。
実は秀吉はこの宝寺に本陣を構えていたとの解説が!

そしてこの三重塔は秀吉が勝利の記念に、なんと一夜にして建てたという伝説が残ります!
中国大返しや墨俣一夜城だけでなく、秀吉は何をやらせても仕事が速いですね(笑)

本堂前に到着。先に閻魔堂を拝観します。中では、閻魔大王像やそのお付きの眷属が
お待ちかね。地元のボランティアガイドの方が丁寧にご説明して下さいました。
まさに閻魔庁さながらに立ちならんでいて、閻魔様の迫力あるお顔には圧倒されました!

続いて、本堂の拝観へ。本堂には天王山の額が上がります。
内部には本尊・十一面観音像毘沙門天像などを拝観しました。こちらもボランティアの方に
丁寧にご説明して頂きました。ありがとうございました!

本堂の前には、秀吉が本陣を置いた際に腰かけたという石があります。案内板がないので、
ガイドと一緒でないと見過ごしてしまいますね。実はこの石、秀吉が天王山の戦いを制して
天下人へと駆け上ったところから秀吉の出世石と呼ばれています。今でも腰をかけると
出世ができるそうですよ~。これで昇進も間違いなし!?

宝積寺の境内から、いよいよ天王山への山道が始まります。標高は270mですが、なかなか
勾配がある山道です。足元に気をつけながら登っていきます。

登り始めて程なく、早くも抜群の眺望が待っていました!淀川や枚方・大阪の街が見渡せます。

山中に立ちならんでいるのが秀吉の道と題された、山崎の戦いの絵巻物風の説明板。
山村先生が時々刻々と変わる戦況を、分かりやすく解説して下さいました。臨場感がわいてきます!
数で劣る光秀は秀吉の大群と戦うために、大群が伸びて互角に戦えるはずのこの大山崎を、
決戦の地に選びました。


こちらは、幕末の十七烈士の墓。禁門の変で京都を追われた長州藩士は、天王山に登り、
燃えゆく京都の街を見届けて自決をしました。久留米の神官・真木和泉のお墓もこちらにありますよ。
戦国と幕末、時代を超えた歴史をしのべる天王山。山村先生の物語解説も光ります。


酒解(さかとけ)神社へと到着。神社には正式表記の「自玉手祭来酒解神社」との旗が立っていて、
たまてよりまつりきたる さかとけじんじゃと、山村先生が解説すると、一同から「おぉ~」と歓声が!


山頂へ向けていよいよ最後の登りへ。途中には八重桜が散ったピンクの道が。素敵ですね!


そして・・・ついに天王山の頂上に到着です!!一同で記念写真を撮りました。
皆様、達成感のあるお顔をされています。標高は2700m!ではなく、270m!
石も積まれていて、何やらすごい山へと登って来たよう(笑)
山頂は城跡で、意外なほど平らな場所もありました。眺望もなかなかですよ~。

足元に気をつけながら、ゆっくりと下山します。登るときには気がつかなかった緑や竹の美しさに
目が行きます。大山崎にも竹が多く、山中にはタケノコを運ぶ設備などもあります。
今の時期は竹の葉が散る「竹の秋」。時折、ハラハラと風に舞って、絵になる風景を作っていました。

真ん中の松が旗立松です。ふもとからも見えるように、秀吉は松の上に自軍の旗を立てさせたそう。
山が迫って秀吉の大群も動きにくい山崎の地に勝機を見出した光秀でしたが、先に秀吉に天王山を
取られてしまったことで、相手の士気が上がると同時に横からも攻撃を受け、勝ち目は無くなってしまった
とのでした。ここでも仕事が早い秀吉が抜きんでて、天下人への道をひた走って行ったのですね~

急な下り坂をゆっくりと下りて、山崎聖天に到着しました。


休憩をしながら、山村先生の解説を聞きます。山崎聖天は正式には観音寺といい、平安時代に
宇多法皇が創建した深い由緒を持つお寺。宇多法皇といえば、仁和寺を創建された方ですね。
聖天さんは現世利益の篤い信仰を集めています。

かつての財閥で有名な「住友」も立派な灯篭を寄進しています。

緑が綺麗な境内は山登りの疲れを癒してくれました~


最後には虹も架かってくれました。虹は意外と珍しく、太陽が高いこの時期の真昼には
見えないものです。パラパラとほどよく雨が舞う空に、太陽が低くなる夕方。まさに私たちの
下山を待ってくれていたかのような光景です!

無事に山崎駅まで戻ってきました。天王山は、道中にも社寺や史跡などたくさんや見どころがあり、
やはり山村先生の歴史物語も現地で聞くと臨場感がありました。
道々には新緑があり、美しい花も咲いて眺望もよく、楽しく歩けたのではないでしょうか。
参加者の皆様、本当にお疲れさまでした!


                                  ご案内 / らくたび代表・山村 純也
                          受付・添乗・文・写真 / らくたびレポーター・吉村 晋弥
  


Posted by らくたび  at 11:12Comments(0)西山~長岡エリア

2012年05月11日

2012年4月29日 仏像の宝庫 南山城を訪ねて 


4月29日(祝)のらくたび京都さんぽは、南山城の名刹と点在する石仏巡りに
出かけました。昨年は台風で延期となりましたが、この日はお日様が顔を出して、
絶好の散策日和に!参加者も40名を数えて大盛況でスタートしました!

まずはJR加茂駅からバスで岩船寺へ。行きのバスがいっぱいなるほどの
たくさんの方にお越しいただきました。岩船寺は創建が奈良時代という古刹。
境内は美しい新緑に包まれていました。石楠花も咲いて、絵になる風景が
広がっています。

岩船寺では、立派な阿弥陀如来像を拝観することができますが、なんと!
平等院よりも古い時期に作られた仏像です!1000年以上も前から信仰を集めた
立派な仏様を、今も間近で見られることに感動しますね。
お堂の中ではお寺の方にご説明いただきました。

お弁当タイムは岩船寺にて。お寺の方のご厚意で境内の休憩場所を使わせて
いただけることになりました。自然の中で頂くお弁当は、とてもおいしく感じます(笑)

岩船寺の三重塔は2003年に化粧直しをされて、鮮やかな朱色で輝いています。
塔をよく見てみると…!

塔を支える天邪鬼(あまのじゃく)さんがいらっしゃいます。四隅それぞれで、
お顔も違っているんですよ。

お腹も膨れたところで、深い歴史と美しい緑に包まれた岩船寺を後にして、
いよいよ当尾(とうの)の石仏巡りへと出発です!途中、こんなに大きな岩も
ありました!八帖岩と呼ぶそうです。

石仏巡りで最も有名な、笑い仏(わらいぼとけ)の前に到着。
山村先生が熱弁中~!

仏様のお顔が笑っているようですね~!仏様が傾いていますが、実物が
傾いているんですよ。今から700年ほど前に彫られたもので、以来ずっと人々を
笑顔で見守ってこられたのですね。隅々までとても美しく残っていました。

道中、次々に仏様が現れます。それぞれの由来を山村先生がご説明。
からすの壺 二尊と呼ばれるこちらの石仏。一見、仏様がお一人しか見えま
せんが、実は岩の横を覗くと…!

地蔵菩薩がいらっしゃいます!先生の解説がないと見過ごしてしまいそうな
位置にあります。すごく狭い場所にあって「どうやって彫ったのだろう?」と疑問が
わきますが、当時は今とは周りの地形が違っていたのでは、とのことでした。

先生が対岸の大きな仏様を解説中です!「あそこですよ」と、教えていただかないと、
見過ごしてしまいそうな場所にあります。

実際にはとても大きな仏様ですが、離れているので小さく見えます。
皆さん、カメラをズームにして撮影されていました。

私もズームで撮ってみました。丈六の阿弥陀様で、およそ2.5mもある大きな仏様です。
風格がありますね!

歩き慣れない道も、先生や大勢で歩くと軽やかです!京都の賑わいもよいですが、
長閑な山里の風景にも癒されました。

石仏巡りも終盤へ。道は昇り坂へと変わって、ゆっくり浄瑠璃寺を目指します。
が … 、、、途中で横道へと入り、知る人ぞ知る、浄瑠璃寺奥ノ院へと山道を向かって
行きます。やや険しい道のりのため、先に浄瑠璃寺へ向かう組にも添乗がつき、
別行動になりました。私は奥ノ院組へ。山道を進んで行き、小さな橋も渡りました~。 

歩くこと10分ほどで奥ノ院に到着!解説をする山村先生。
左手にお不動様が見えていますが・・・


急に山道を登りだした先生!!いったい何が!?

実は、今立っているお不動さんは近年になって作られたもの。当初の石仏は
後ろの岩だったのです!摩耗や岩が崩れたことによって下からでは見えにくいため、
先生が軽快なフットワークで駆け登り「こちらです!」と指し示してくれました。
参加者も興味津々です。

私も登ってきました。手前の岩にお不動さんの上半身が、後ろの岩にその下が
描かれています。岩が上下に割れて落ちてしまったそうです。

来た道を戻って、最後はいよいよ浄瑠璃寺へ!
こちらは九体の阿弥陀如来像が残るお寺として知られています。

お寺の方に、歴史などをご説明いただきました。境内の西には阿弥陀堂
東には薬師如来を安置する三重塔があり、それぞれが向かい合って、
境内全体が浄土の世界を現しています。

こちらが東の浄瑠璃世界。薬師如来がいらっしゃいます。

こちらは西の極楽世界。阿弥陀如来がいらっしゃいます。

この後、ご本堂やお庭を散策し、バスに合わせて解散となりました。
阿弥陀堂内の9体の阿弥陀様は優しいお顔で、900年前とは思えないほどの
荘厳さ、何より9体も並ぶのは圧巻でした。境内の新緑もとても美しく、華やかな
浄土の世界を垣間見ることができました。

今回の京都さんぽでは、普段はなかなか行くことができない山間の古刹を訪れ、
石仏も盛りだくさんで見ることができました!

天気にも恵まれて新緑も美しく、長閑な景色はどこもかしこも癒しのオーラに
満ちているようでした。ちょっと険しかった山道も、皆さんで歩けばこそ、乗り切ることが
できたのではないでしょうか。
参加者の皆様、ご参加いただき本当にありがとうございました!


                               ご案内/らくたび代表 山村純也
                      受付・添乗・文・写真/らくたびレポーター 吉村晋弥  


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