2007年07月29日

下鴨神社足つけ神事と瑞春院特別拝観&貴船の川床



待ちわびた梅雨明けから一転、太陽と喧嘩したいような
京都の夏がやってきました。
暑さを乗り切るため土用の丑の日にうなぎを食べる習慣は全国的ですが、
京都下鴨神社では無病息災を祈る御手洗祭が行われます。
なかでも足つけ神事は普段は入れない御手洗池が
一般に開放されるので、楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。



7月29日は最高気温33度。出町柳駅からそう遠くはない下鴨神社まで
歩いただけで、汗が噴出すほどでした。
すぐにも水に飛び込みたい気持ちを抑えつつ、まずはお参り。
そして、浴衣をひざまでたくし上げて、いざ御手洗池へ。
水の冷たさ清らかさに、暑さにくじけかけた心もしゃっきりしました。
(足のひんやり感は池から上がった後もかなり長い間持続していました!)



賀茂川に架かる出雲路橋は、穏やかな流れと京都を囲む山々が
見渡せる和みスポット。寺町通りに入ると今でもたくさんのお寺が立ち並び、
こちらもいい風情です。



門越しに望む比叡山が美しい天寧寺に、そのお隣の西園寺
こちらは入ってすぐ右手にある梵鐘の話が印象的でした。
この鐘は、戦時中に銅精錬所に送られたものの溶かされる直前に終戦したため、
戻ってきたのだそうです。
銅の品質検査のための丸い穴が4つ開けられていました。

さらに織田信長のお墓がある阿弥陀寺などに立ち寄りつつ、
一行は相国寺境内へ。



お目当ては通常非公開の瑞春院です。
作家水上勉は幼少時にこちらで修行をし、後にそのとき見た襖絵から
インスピレーションを得て『雁の寺』を書き上げたといいます。



雁の群れ飛ぶ襖絵も見せていただきましたが、
実際に水上勉少年がいつも見ていたのは孔雀の絵だったのだそうです。
雁の絵は目に触れるはずのない次の間にあった、
というお話にはぞくっとしました。
掛け軸に大茶碗、庭には水琴窟などが配されて、案内をしていただきながら
上品なお宅にお邪魔したような感じがしました。

昼の部はこれにて終了、地下鉄今出川駅で解散しました。


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引き続き、夜の部の参加者は、揃って地下鉄で次の集合場所の北山駅へと
向かったのでした。
北山駅に到着すると、本日お世話になる「ひろ文」さんのワゴンが
迎えに来てくれていました。こちらから参加される方達と合流し、
おしゃべりをしながら車に揺られ、30分ほどで貴船神社に到着。
車から降りるとはっきりと温度の違いを感じました。

貴船神社には、「黄色い船」に乗った女神が難波の港に現れ、
川をさかのぼり船が止まったところに神社を作るよう告げたという伝説があり、
水の神様として信仰されています。
境内には大きな七夕の笹飾りがありました。
現在ライトアップもしていて、8月7日まで短冊を結ぶことができるそうです。
こちらはえんむすびのご利益もあるので、
恋の願い事をしたら効果抜群かもしれません。



さて、いよいよ川床です。川底を平らにして、流れを止めることなく
その上にお座敷がしつらえられています。
お座敷とお座敷の間には本来の川の傾斜分を落差とした滝。
私は川床にあがるのが初めてだったので興味深々・・・
食事の後、お行儀が悪いとは思いながらも端に座って手を伸ばして、
水に触れてみました。それくらい水面が近いのだから、涼しいはずですね。



お料理も、京野菜に鱧に鮎、思いつく限りの夏の食材が供され、
五感で涼をとるというのはこういうことかなあと思いました。
個人的には、お刺身の上にちょこんと飾られていた金魚草が嬉しかったです。
貴船に着いたときはまだ太陽は高く、食事が終わる頃ようやく日が落ちました。
行灯に灯が入ると、また違った雰囲気に・・・。
だんだんと暮れてゆく空を眺めながら、
楽しく贅沢な時間を過ごすことができました。


文/あさがお  写真/らくたび会員 鴨田一美様 他
  


Posted by らくたび  at 12:29Comments(0)御所~下鴨エリア