2011年10月24日
10月16日(日)奈良たび!日本最古の道・山の辺の道を訪ねて

昨年の5月から久々の 【 奈良たび 】 です!
今回は「 日本最古の道・山の辺の道 」を約 14km 近く歩くという散策。
みなさん、リュックにスニーカーと、万全の体勢で挑みます!
天理駅から長〜い商店街を歩き(この商店街、私は京都の三条商店街に似てるなと思いました)、その先には天理教教会本部が!
日本で唯一の宗教都市・天理ということで背中に「 天理教 」と書かれたハッピ姿の方がたくさんおられました。

巨大です!、一同ちょっと驚き!

さあ、いよいよここから山の辺の道へのスタートです。
まずは伊勢神宮と並び、日本最古の創建とされる神宮・石上神宮(いそのかみじんぐう)へ。

かつてはこの辺りの豪族であった物部氏の祖先が氏神として崇めていたこの石上神社を朝廷が武器庫として利用したことから、物部氏が武器の管理、やがては軍事全般を支配するようになったと考えられています。

そのことからこちらのご祭神のひとつ 都御魂大神( ふつのみたまのおおかみ )は、古代の鉄剣が神体である布都御魂剣( ふつのみたまのつるぎ )に宿る神霊だとか。
興味深い歴史です。

山の辺の道の途中、芭蕉や柿本人麻呂など、多くの歌人の歌碑が所々に点在します。

そしてこちらは今は無き 内山永久寺( うちやまえいきゅうじ )の広大な境内図。
永久年間( 1113年-1118年 )に鳥羽天皇の勅願により創建された大寺院。

かつては興福寺にも劣らぬほどの力を持ち、多くの伽藍を備える大寺院でありましたが、廃仏毀釈により明治期に廃寺となったそうです。現在は跡地の池が残っているだけで歴史のきびしい流れを感じました。
「 このお寺が現存していれば奈良の歴史も大きく変わっていただろう 」と
山村先生のお話が印象的でした。
スタートから約2時間が経ち、みなさん「お腹空いた〜!」と

途中、無人の売店がたくさんある中、何も食べずに歩いてきましたがかなり限界・・・。

やっとのことで 空海創建の長岳寺を前にランチタイム


それぞれの持参したお弁当を食べて、おかし交換なんかして

お腹を満たしたところで散策再開〜。
やってきました! 古刹・長岳寺(ちょうがくじ )。
天長元年(824)淳和天皇の勅願により弘法大師空海が 大和( おおみわ )神社の神宮寺として創建。

【 鐘楼門 】上層に鐘を吊った遺構がある
こちらは日本最古の鐘門で、空海が創建された当初から残る唯一の建物だとか

なんと! 1180年以上も前とはすごいなぁ


本堂前の広い庭は浄土式庭園になっており、四季折々の花が美しく咲くことから
関西花の寺・第十九番霊場となっています。

たっぷりと奈良の古刹を堪能した後は、のどかな山の辺の道を進み古墳群へと向かいます。

実在した初代の天皇とされている崇神( すじん )天皇陵や、景行( けいこう )天皇陵など巨大な前方後円墳を見学しました。
写真のこんもりとした木立が天皇陵。

航空写真から前方後円墳というのが見て良くわかりますね。

さていよいよ散策も終盤にさしかかり、檜原神社( ひばらじんじゃ )に到着!
この後訪れる大神( おおみわ )神社の摂社です。

しかし、歴史は深く、伊勢神宮に御祀りされている天照皇大神の御神霊はこちらから遷されたという史実が残っています。そのことから 元伊勢 と呼ばれているそうです。
こちらの鳥居は珍しい三ツ鳥居・・・神明鳥居が三つ横に並んでいます。
京都の三ツ鳥居と言えば蚕ノ社ですが、いろんな鳥居があるんですね


少し日が暮れてきて、高台にある神社の注連縄越しに見える二上山のシルエットが美しいです。
この後の夕焼けキレイやろな〜


そして最後の目的地・大神神社( おおみわじんじゃ )へ。
大神神社は 【 大和国一宮 】 とされ、三輪明神、三輪神社とも呼ばれているそうです。

大物主大神( おおものぬしのおおかみ )がご祭神で、日本神話によると「日本最古の神社」と称されているとか。日本国内で最も古い神社のうちの1つであると言われてます。
三輪山そのものを神体( 神体山 )とした神社で、本殿を持たないので立派な拝殿から三輪山を仰ぎ見てご参拝し、今日の散策は無事におしまい

約14kmの散策、ほんとによく頑張りました!
これも皆さんと一緒だったから、途中脱落もなく楽しく歩けたんですね。
お天気にも恵まれ、心地よい風に吹かれて、最高の秋

皆さん、お疲れさまでした〜

次回の【 ならたび 】が楽しみで〜す。
文・写真/らくたび会員 奥村なるみ
2011年10月17日
10月9日(日)御室仁和寺と幻想の世界へ誘う梵燈の東林院へ

この日の京都さんぽは午後3時半スタート。
まずは、格式高い門跡寺院・仁和寺を閉門ギリギリまで、たっぷりと散策しました。
霊宝館で開催されている 秋季名宝展 を鑑賞。
国宝の阿弥陀如来座像をはじめ、ずらりと並ぶ貴重な寺宝は見応えタップリ!
霊宝館の中は若村先生の解説が響き渡ってましたよ

そして、御所の紫宸殿を移築されたという 国宝・金堂( こんどう )、
弘法大師像、宇多法皇像、仁和寺第2世性信親王像が安置されている 御影堂( みえいどう )を参拝して、御室御殿( おむろごてん )へ。
御室御殿は皇室ゆかりという格式の高さがうかがえ、ここに佇んでいると時空を越え私も皇族になったような気分です。日暮れてほんのり秋色に染まる雅な庭園にうっとり


あっと言う間に時間が過ぎ、気がつけば閉門時間。
私たちが仁王門を出ると・・・すぐに扉は閉じられました


さあ、ここからは京焼の祖 ・野々村仁清窯跡 〜 オムロン発祥の地 〜 徒然草の執筆の地・双ケ岡 〜 随筆家・吉田兼好が眠る長泉寺 〜 法金剛院ゆかりの待賢門院御陵 〜 妙心寺へと進みます。
妙心寺に到着する頃には、夕焼けが美しく幻想的な風景を見ることができました。

太陽が沈んだ宵の刻の境内に点在する塔頭寺院をめぐりながら、東林院へ向かいます。
広い境内をこんな時間

みなさん、貴重な体験にテンションアップしてはりましたね〜


そして、東林院に着いたころには日も暮れて・・・
この日はこんな素敵なイベントが行われています
梵燈のあかりに親しむ会

境内に手づくりの瓦製梵燈( ぼんとう )や、古瓦のうえに約400本のろうそくが灯り、幻想的な世界が広がります
このイベントは恒例となっているそうですが、今年は東北大震災で多くの方が犠牲になった方々の冥福を祈り、禅語の【 生死事大 】という文字が灯されていました。
「 生死事大 :しょうじじだい
生死は重要で、生きている今に悟りを求めることが大事である 」の意。
若村先生のブログより引用。

しばし煩悩を忘れ去り、灯りを見つめながら、静寂なひとときにひたりました。
夜のお寺をそぞろ歩く、一人ではまず来られない素敵な企画。
こんな京都さんぽも良いものですね。
ありがとうございました!
そして・・・。
夕刻近くのスタートだったので、みなさん「 お腹空いた〜!」と。
この後は急に現実的に〜。
解散後、若村先生と希望者の皆さんとのご一行はこの界隈の名物!
お好み焼き・ジャンボ に行かれました
その様子は、若村先生のブログ こちら をご覧下さいね。
写真/らくたび会員 五島千恵様
文・写真/らくたび会員 奥村なるみ
2011年10月07日
9月23日 千姫神輿・特別拝観 と 伏見桃山御陵を訪ねて
御香宮神社拝殿 屋根の下に施されている絢爛豪華な彫刻は必見!

「 千姫の金の神輿特別拝観と伏見桃山御陵を訪ねて 」 が開催されました。
まずは、日本第一安産守護之大神として広く崇められている御香宮神社を参拝。
豊臣秀吉が建てた伏見城の守護神とし、徳川将軍家からも厚い信仰を集め、幕末には、薩摩藩を中心とする官軍の陣地となり、鳥羽・伏見の戦いの最前線となったここ御香宮神社。

御香宮神社 小堀遠州ゆかりの名庭

その歴史深い神社に残る宝物を今回は特別に拝見させていただきました!

見よ! この荘厳豪華な金のお神輿を!
通称「 千姫神輿 」と呼ばれているこのお神輿は、徳川二代将軍・秀忠が長女・千姫の誕生を祝い、御香宮に寄進したものです。

日本一の重さでなんと 2.3t !!
しかし担ぎ手が足らず、昭和36年(1961年)以降担がれていないそうです。

あまりの豪華さに「 おお〜っ!」と参加者の皆さんから驚愕の声が聞こえてきました。たっぷりと拝見させていただき私たちがその場を立ち去ろると・・・すぐに扉が閉じられました。それを見て「ほんとに特別に見せていただいたんやね〜っ!」と今度は喜びの声が聞こえてきました。

さあ、特別拝観を堪能したあとは、天皇陵のご参拝です。
まずは、乃木将軍( 乃木希典 )を祀る乃木神社へ。
明治天皇が崩御され、それに付き従うように夫人と共に殉死されたとは・・・昔の方はすごいなと感心することしかできません。

乃木神社から足を進めて数分、長〜い階段が見えてきました!
この上にある壮大な桃山御陵( 明治天皇陵 )へと向かいます。
このときは皆さんまだまだ余裕たっぷり!

明治天皇陵 階段を登り詰めると、神々しい空気に包まれます。

遥か先には京都市の南端が見えま〜す。

次ぎの天皇陵を目指し、天皇陵の森を進みます。

と、その道中にお城が・・・なんと伏見城です!
もちろん秀吉のお城でも、家康のお城でもありませんが、立派な伏見城です。

2003年までは「 伏見桃山城キャッスルランド 」として京都人にとっては数少ないプレイランドだったんですよ。私もお年頃だったころよく遊びに来ました
現在はこの模擬天守を中心に運動公園や市民の憩いの場となっています。
桜の季節に来たらきっと綺麗でしょうね。
そして平安京を造営された桓武天皇陵の参拝です。
「京に都を遷してくださりありがとうございました」と心に刻みながらいにしえの栄華をしのびました。

天皇陵の参拝を終え、伏見の城下町を歩きました。当時はこのあたりは賑やかだったんでしょうね。そんな城下町にもたくさんのお寺が点在してます。
こちらは伊達政宗の伏見屋敷跡に建つ海寶寺( かいほうじ )。
普茶料理や画家の伊藤若冲ゆかりのお寺としてもよく知られています。

境内には樹齢約400年とも言われている伊達政宗お手植えのモッコクが今でも健在です。

散策も終盤、あとは駅に向かうだけだと思っていたら、ここでサプライズ!
曹洞宗の栄春寺。なんとこちらでは貴重な伏見城の遺構を見ることができるんです!

本堂裏手の墓地には伏見城の土塁が一部残っているんです。

皆さん、 らくたびの ” 京都さんぽ ” だからこそのサプライズに興味津々♪
案内なしでは知ることもなく、もちろん見ることも出来なかったですよね〜。

この小高い墓地から遠くに伏見城が見えました。
お城の位置が少しは変わっていると言えど、伏見城ってこんなに広い敷地だったんですね。
今回の京都さんぽはよく歩きましたが、金の御輿に魅せられ、神妙な気持ちで天皇陵を参拝し、サプライズ的なこともあり満足感溢れる散策となりました。
ご参加いただいたみなさん、お疲れさまでした!
そして、秋本番!
散策が気持ち良い季節です。
次回はお会いすることを楽しみにしてま〜す。
写真/らくたび会員 岩崎 真紀枝様
文・写真/らくたび会員 奥村なるみ

「 千姫の金の神輿特別拝観と伏見桃山御陵を訪ねて 」 が開催されました。
まずは、日本第一安産守護之大神として広く崇められている御香宮神社を参拝。
豊臣秀吉が建てた伏見城の守護神とし、徳川将軍家からも厚い信仰を集め、幕末には、薩摩藩を中心とする官軍の陣地となり、鳥羽・伏見の戦いの最前線となったここ御香宮神社。

御香宮神社 小堀遠州ゆかりの名庭

その歴史深い神社に残る宝物を今回は特別に拝見させていただきました!

見よ! この荘厳豪華な金のお神輿を!
通称「 千姫神輿 」と呼ばれているこのお神輿は、徳川二代将軍・秀忠が長女・千姫の誕生を祝い、御香宮に寄進したものです。

日本一の重さでなんと 2.3t !!
しかし担ぎ手が足らず、昭和36年(1961年)以降担がれていないそうです。

あまりの豪華さに「 おお〜っ!」と参加者の皆さんから驚愕の声が聞こえてきました。たっぷりと拝見させていただき私たちがその場を立ち去ろると・・・すぐに扉が閉じられました。それを見て「ほんとに特別に見せていただいたんやね〜っ!」と今度は喜びの声が聞こえてきました。

さあ、特別拝観を堪能したあとは、天皇陵のご参拝です。
まずは、乃木将軍( 乃木希典 )を祀る乃木神社へ。
明治天皇が崩御され、それに付き従うように夫人と共に殉死されたとは・・・昔の方はすごいなと感心することしかできません。

乃木神社から足を進めて数分、長〜い階段が見えてきました!
この上にある壮大な桃山御陵( 明治天皇陵 )へと向かいます。
このときは皆さんまだまだ余裕たっぷり!

明治天皇陵 階段を登り詰めると、神々しい空気に包まれます。

遥か先には京都市の南端が見えま〜す。

次ぎの天皇陵を目指し、天皇陵の森を進みます。

と、その道中にお城が・・・なんと伏見城です!
もちろん秀吉のお城でも、家康のお城でもありませんが、立派な伏見城です。

2003年までは「 伏見桃山城キャッスルランド 」として京都人にとっては数少ないプレイランドだったんですよ。私もお年頃だったころよく遊びに来ました

現在はこの模擬天守を中心に運動公園や市民の憩いの場となっています。
桜の季節に来たらきっと綺麗でしょうね。
そして平安京を造営された桓武天皇陵の参拝です。
「京に都を遷してくださりありがとうございました」と心に刻みながらいにしえの栄華をしのびました。

天皇陵の参拝を終え、伏見の城下町を歩きました。当時はこのあたりは賑やかだったんでしょうね。そんな城下町にもたくさんのお寺が点在してます。
こちらは伊達政宗の伏見屋敷跡に建つ海寶寺( かいほうじ )。
普茶料理や画家の伊藤若冲ゆかりのお寺としてもよく知られています。

境内には樹齢約400年とも言われている伊達政宗お手植えのモッコクが今でも健在です。

散策も終盤、あとは駅に向かうだけだと思っていたら、ここでサプライズ!
曹洞宗の栄春寺。なんとこちらでは貴重な伏見城の遺構を見ることができるんです!

本堂裏手の墓地には伏見城の土塁が一部残っているんです。

皆さん、 らくたびの ” 京都さんぽ ” だからこそのサプライズに興味津々♪
案内なしでは知ることもなく、もちろん見ることも出来なかったですよね〜。

この小高い墓地から遠くに伏見城が見えました。
お城の位置が少しは変わっていると言えど、伏見城ってこんなに広い敷地だったんですね。
今回の京都さんぽはよく歩きましたが、金の御輿に魅せられ、神妙な気持ちで天皇陵を参拝し、サプライズ的なこともあり満足感溢れる散策となりました。
ご参加いただいたみなさん、お疲れさまでした!
そして、秋本番!
散策が気持ち良い季節です。
次回はお会いすることを楽しみにしてま〜す。
写真/らくたび会員 岩崎 真紀枝様
文・写真/らくたび会員 奥村なるみ