2012年5月5日(土) 宇治さんぽ 平等院&三室戸寺

らくたび

2012年05月11日 18:12


5月5日(土)のらくたび京都さんぽは、藤原氏の栄華を象徴するお寺、
世界遺産の平等院 と、この時期2万株のツツジが咲き誇る関西屈指の
ツツジ寺・三室戸寺 を訪ねました。道中には源氏物語の世界を偲べる
スポットも点在しています。

出発は京阪の三室戸駅。この日の天気は快晴で、青空が広がり、日差しも
降り注ぐ初夏を感じる陽気。今年は平等院の藤棚には天候不順によって
花が咲いていないということで、代わりに鳳凰堂の拝観をすることになりました。

が!連休中ということで、世界遺産の平等院は大変な賑わいが予想されます。
そこで私(添乗・吉村)が一足先に平等院へ行って、鳳凰堂の拝観券を押さえて
くることに!頑張ります!

行ってみれば案の定、受付までに15分待ち、別売りの鳳凰堂のチケットも
2時間先がなんとか買えたというほどの大盛況!無事にチケットを入手できて一安心。
写真は、三室戸寺へ向かった一行に追いつくための移動中、宇治上神社にお神輿が
戻ってきている場面です。

私は三室戸寺の拝観には間に合いませんでしたが、きっと皆様はこのような見渡す
限りのツツジの絨毯をご覧になれたのだと思います!
境内には、源氏物語の宇治十帖にちなむ 浮船の古碑 もあり、若村先生が
情緒豊かに物語を語られたに違いありません(笑)

さて、三室戸寺から宇治上神社へと向かいます。途中には、平安時代に阿弥陀三尊が
線で描かれた石があり、こちらは源氏物語・宇治十帖の「蜻蛉(かげろう)」の巻に
ちなんで、 蜻蛉石 と呼ばれています。
およそ800年の時を経て、少し見えにくくなっている仏様の姿を先生が丁寧に解説して
下さいました。


宇治の世界遺産の一つ、 宇治上神社 へと到着しました。
本殿は今から1000年ほど前、西暦1060年代に伐採された木材を使用していることが
年代測定で判明し、 現存する日本最古の神社建築 なのです!
源氏物語で八の宮がひっそりと暮らしていた宇治の場面は、この宇治神神社の辺りが
モデルともされ、昔ながらの雰囲気が残る境内。
実は、結婚式も挙げられる神社だそうですよ~!


境内で自由時間を取りつつ、本殿に参拝です。
本殿は雨風を避けるための覆屋(おおいや)の中にあり、1000年も残ることができたのも、
覆屋の活躍が大きいそう!

御祭神は、応神天皇・仁徳天皇・宇治稚郎子(うじのわきいらつこ)。
応神天皇の皇子である仁徳天皇と宇治稚郎子の二人は、兄弟で皇位を譲り合った
エピソードを持ちます。


宇治上神社から宇治神社を抜けて、 源氏物語・浮船の巻 をイメージした石像の前へ。
浮船の物語が、若村先生から語られています。


赤い 朝霧橋 を渡って、宇治川の中州・中の島へ。朝霧橋の上からは風光明美な
宇治の景色が一望できます。
山並みは源氏物語の時代から変わっていないのでしょうね~!


中の島に到着です。宇治川は平安時代の末期、源平の戦いの舞台ともなりました。
若村先生が戦いの場面を熱く語られています。私は一足先に平等院へ。
一行からずいぶんと離れても、若村先生の大きな声は島に響き渡っていました~!
参加者様にはさぞ迫力を持って聞こえていたに違いありません(笑)


平等院 ではまず 鳳凰堂 から拝観。先にチケットを押さえていたので、
すぐに入ることができました。


浄土の世界へ行ってらっしゃいませ~!


現世に戻られた後は、 藤棚 の前へ。藤について若村先生が熱弁中!
長く枝垂れる藤は子孫繁栄に繋がり、平等院を建立した藤原氏にちなんで
植えられているそうです。藤棚には本当に藤がありませんが、これはこれで
滅多に見られない光景ですね!

でも、ほんの少しだけ咲いています。藤棚に残る貴重な藤です。


源頼政が自害した 扇の芝 の前へ。源頼政は、平氏が全盛を極める時代の中、
源氏で唯一、三位の高い位に任ぜられたため、源三位(げんさんみ)とも呼ばれました。
しかし晩年に平家打倒の兵を挙げ、この芝の上で最期の時を迎えます。
「埋もれ木の・・・」と時世の句を交えながら、若村先生から臨場感を持って語られています!


続いて鳳凰堂の正面へ。藤棚に花がない代わりに、池の前にはたいへん立派な
藤の鉢植えが置かれていました。
今年は例年とは違った角度から、藤と鳳凰堂の写真も撮ることができますよ。

池を背にそよぐ藤の花もとっても綺麗です。


若村先生から、末法の世や、九つの往生の段階(九品往生)に基づいて
仏様が結ぶ手の形(印相)について、軽やかなご説明が!
身振り手振りを交えながら、仏教の教えをとても分かりやすく語っていただき、
周りの一般の参拝者も聞き入っておられました!


鳳翔館(宝物館)の拝観を経て解散とさせていただきましたが、時間の許される
皆様とは塔頭などをたどりながら平等院を後にしました。
こちらは 源三位(げんさんみ)頼政のお墓 です。


最後は、宇治橋のたもとに立つ、 紫式部の像 の前へ。
式部も宇治の風光明美な景色を見ながら、源氏物語の宇治十帖を書いたことでしょう。

この日は、ツツジを眺め、藤にも出逢い、極楽浄土を垣間見て、源氏物語の情緒豊かな
世界にも触れることができた散策でした。

初夏を感じる陽気の中、ゴールデンウィークの一日を宇治で満喫することができたのでは
ないでしょうか。

参加者の皆様、お越し頂きありがとうございました!


                         ご案内 / らくたび代表・若村 亮
                 受付・添乗・文・写真 / らくたびレポーター・吉村 晋弥

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