宇治の名刹・三室戸寺と萬福寺に蓮を訪ねて
今回は宇治にある三室戸寺と萬福寺を訪れました。
目的は両寺にある 蓮 を観賞するためです。
朝9時、京阪電車三室戸駅に集合した一行は一路三室戸寺へ向かいます。
朝とはいえすでにかなりの暑さに。もう既に汗が噴き出しています(泣)
三室戸寺 は創建が約1200年前の宝亀元(770)年とされている修験宗の本山です。
西国三十三所観音霊場の第十番札所でもあります。
御本尊秘仏ですが今年の10月1日から11月30日まで御開帳されます。
御本尊である二臂千手観音の御姿を見に私は必ず行きます!!
その他にも境内には三重塔や親鸞聖人の父である日野有範の
お墓だと伝わる阿弥陀堂があります。
6月には1万株と言われる紫陽花が非常に有名ですが、訪れたこの日は
本堂前に250株の色とりどりの蓮が咲いていました。
朝早くから多くのカメラマンが訪れていました。
三室戸寺を後にした一行は再び京阪電車に乗りひとつ隣の黄檗駅へ。
次なる目的地は黄檗宗の総本山萬福寺 。
しかし、萬福寺へ向かう前に 宝蔵院 へ寄り道です。
この宝蔵院には一切経版木と言われる一切経全6956巻の版木が収蔵されています。
版木の数は何と6万枚!!重要文化財であるこの版木は今もバリバリの現役。
注文があれば専門の刷り職人が版木から経典を作っていきます。
訪れたこの日も職人の方が刷っておられ、間近で見学する事ができ
非常に感動しました。作業中のため声をかけるのが怖いくらいです。
実はこの版木、現代にも深く関わっています。まず、彫られている書体。
版木の書体は全て明朝体。これは現在新聞等に使用されている
明朝体のルーツだとされています。
次に1枚の版木の文字数。20文字×10行が2つで400文字。
これで1枚に経典になっており、これは現代の原稿用紙の原型とされています。
そんな版木を作ったのが黄檗宗の開祖である隠元隆琦に師事した
鉄眼禅師という方です。寛永10(1670)年作りはじめ、延宝6(1678)年に完成。
実に17年に及ぶ大事業だったそうです。
そして、いよいよ 萬福寺 へ。創建したのは隠元隆琦。
この隠元隆琦は中国出身の方で当時の中国でも高名な僧。
歴代住持も初代から13代までを中国僧が務めました。
その為、萬福寺は中国の形式を伝える異国情緒あふれる
伽藍構成となっています。
参道や放生池には見事な蓮が咲いていました。三門をくぐり
初めにみえてくる天王殿には布袋さんがその大きなお腹を見せて
座ってらっしゃいます。さらに進み大雄宝殿には御本尊である
釈迦如来が安置されています。
右に進むと魚の形をした開版(かいぱん)が見えてきます、
これは木魚の原型となっているもので今も使われています。
萬福寺は一般人の座禅などの修行体験を受け付けており、
競輪選手がレース中に違反行為を重ねたりするとペナルティとしても
使われるそうです。5日程度過酷な修行をして自転車の練習も
出来ないことから選手からはお寺ゆきとして恐れられている?! そうです。
その他にも本山をはじめ周囲の塔頭では中国風精進料理である
普茶料理 を味わう事ができます。
今回の京都さんぽは萬福寺で解散となりました。
その後、希望者は白雲庵で普茶料理をいただいたそうです。
私は普茶料理へは行かずそのまま萬福寺を後にしました。
暑い中参加者の皆様、スタッフの皆様お疲れ様でした。
文/らくたび会員 森明子様 写真/らくたび会員 鴨田一美様
関連記事