2009年10月12日

青蓮院青不動特別拝観と粟田祭見学、東山散歩

青蓮院青不動特別拝観と粟田祭見学、東山散歩
ずいき祭、時代祭、鞍馬の火祭……10月になると京都のあちらこちらで秋祭りが行われます。

この日の京都さんぽはそんな秋祭りのひとつ粟田祭の見学と
青蓮院での青不動の拝観、そして東山の裏道散策です。
参加者は京都さんぽ始まって以来最多の50名超。絶好のさんぽ日和の中、
東大路三条の交差点をスタートしました。

青蓮院青不動特別拝観と粟田祭見学、東山散歩

三条通を東へ進むと思いきや……先頭を歩く山村先生は
三条通の一筋南の細い道へ入って行かれます。

実はこの道、旧東海道として京の都と江戸を結んでいた道で、
かつては多くの旅人で賑わっていたそうです。
しかし、今ではとても静か。京都さんぽにはぴったりの道ですね。

この旧東海道を10分程歩くと 粟田神社 に到着しました。
粟田神社は貞観18(876)年に疫病を封じるために創建された
と伝わる歴史ある神社です。また、旧東海道に面していることから
古来京を行き来した旅人が旅の安全を祈願した神社でもあります。

かの源義経はここで源氏再興を祈願し、和宮はこちらに立ち寄り
江戸の大奥へ旅立ったのだとか。そんなお話を聞くと
私もこのまま東へ東へと向かってみたくなりました。

さらにこの粟田神社からは眺望もよく、青空に映える平安神宮の
朱塗りの鳥居を正面に比叡山、大文字山、金戒光明寺などを
望むことができました。

青蓮院青不動特別拝観と粟田祭見学、東山散歩

さて、いよいよ今日の目的のひとつ、 粟田祭 の見学です。
粟田祭も神社同様千年以上の歴史があり“室町時代、応仁の乱で
祇園祭が中断した時には粟田祭を祇園祭の代わりとした”と
伝えられています。

祇園祭の山鉾はもともとは手で持って歩けるくらいの大きさであったのが、
町衆の財力により現在のような絢爛豪華な姿へと変わっていったのですが、
こちらの粟田祭ではそんな祇園祭のルーツともいえる剣鉾差しを
見ることができます。長さ7~8m、重さ40~60㎏の長い剣をしならせながら
歩いて行く……とらくたび講座で聞いたことはありましたが
実際に見るのは初めてです。

また、青森の“ねぶた”に似た大燈呂も昨年180年ぶりに復活、
さらには神社のお祭であるにも関わらず青蓮院や知恩院の住職さんも
お祭に参列され神仏融合の姿を見ることができる見所満載のお祭のようです。

青蓮院青不動特別拝観と粟田祭見学、東山散歩

そんな説明を聞いていると、ドーン、ドーン、お祭の太鼓の音が
近づいてきました。チリーン、チリーン、剣鉾が鳴る音も聞こえてきます。
再集合の時間と場所を確認し、一時解散となりました。

しかし、初めてのことなのでどこで見たらいいのかわからずウロウロ……
すると参加者の方からお勧めの場所を教えていただき
ゆっくり見学することができました。お神輿が青蓮院の勅使門
(天皇・皇后両陛下とこのお神輿だけが入れる門)の階段を上る時、
沿道から「頑張れ~!」という声と拍手が湧き上がったことに感動しました。

青蓮院青不動特別拝観と粟田祭見学、東山散歩

再集合した後は 青蓮院 にて初公開中の青不動の拝観です。
さすがにこの日は拝観の長い列ができていましたが、
私達はらくたびさんが事前予約をしてくださっていたおかげで
すんなり入ることができました。

青不動 (正式には青不動明王二童子像)は11世紀の作とされ
高野山の赤、三井寺の黄とならび日本三大不動画のひとつつであり、
仏教絵画の最高傑作として国宝に指定されています。

これまで大阪万博(1970)などの会場で3度公開されてきましたが、
いずれも“絵画”としての公開で、仏さまとしての御開帳は
初めてとのことです。「殺伐とした事件や不祥事が絶えない
今の時代だからこそ、悪行や煩悩を滅する不動明王の力を
直接感じ祈ってほしい」という青蓮院さんの思いから
今回の御開帳となりました。その長い歴史のなかで、
数多の人々の祈りを聞き、救いとなってこられた仏さま。

作者が誰なのかはわからないそうですが、力強く、毅然とした
その姿と直接向かいあうことができた貴重な時間となりました。

青蓮院青不動特別拝観と粟田祭見学、東山散歩

青蓮院を後にした一行はお隣の 知恩院 へ。
すると知恩院の七不思議のひとつ、瓜生石の周囲に大勢の人が……

若村先生が講師をされている「おき・らくたび」の皆さまでした。
知恩院は浄土宗の総本山です。その入口となる三門は江戸時代に
徳川2代将軍 秀忠の寄進により建立され、現存する木造建築の門
としては最大規模を誇り国宝に指定されています。
完成から390年近く経過しているわけですが、平成5年に調査をしたところ
地盤沈下はわずか5㎜だとか!!パソコンや測定機器も無かったその時代に
どうしてこれほどまでに正確な建築ができたのか?

答えは三門の上に木像が安置されている棟梁 五味金右衛門のみぞ知るのかも
しれません。知恩院の御影堂、大鐘楼を見学し、裏道から円山公園へ入り、
八坂神社でこの日の京都さんぽは終了となりました。

青蓮院青不動特別拝観と粟田祭見学、東山散歩

距離にするとわずか1㎞程のこのエリアですが、人々が旅の安全を願った
粟田神社、皇室が国家安泰を祈願した青不動、民衆が浄土念仏に救いを求め、
徳川幕府も崇拝した知恩院、国をあげて疫病退散を祈願した八坂神社……

実際に歩いてみることで狭いこの範囲にこんなにもいろいろな信仰が
共存しているのだということを確認することができました。

そして時折東山を見上げればそこには秋の気配が!!錦秋の京都を
予感させてくれる楽しい時間となりました。

参加者の皆さま、スタッフの皆さまお疲れ様でした。
紅葉の京都でまたお会いしましょう!


文/らくたび会員 森明子様  写真/らくたび会員 岩崎守男様・坂田肇様





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Posted by らくたび  at 14:14 │Comments(0)祇園~円山エリア

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