2008年10月19日

即成院 二十五菩薩お練供養と東福寺塔頭めぐり

即成院 二十五菩薩お練供養と東福寺塔頭めぐり

晴天の中、今日はとても有り難い仏教行事を見学させていただきます。
泉涌寺の塔頭・ 即成院 で行なわれる 二十五菩薩お練供養 です。

若村先生の京都講座でも詳しく説明していただいた行事なので、
実際に見学できるこの日を楽しみにしてました!

京阪・東福寺駅に集合し、約15分後に即成院に到着。13:30から始まる
ということでしたが、すでにかなりの人がお越しになってます。

即成院 二十五菩薩お練供養と東福寺塔頭めぐり

この仏教行事は、本尊の阿弥陀如来が極楽浄土から現世に来迎し、
人々を浄土に導いてくださる姿をあらわしています。

金色の菩薩面を被り、金襴衣装を身につけた25人の信徒が、本堂から
地蔵堂へ架かる高さ2mほど、距離にして約50mほどの橋の上を
練り歩く姿が見どころです。

「二十五菩薩」の登場までに、山伏さん、可愛らしいお稚児さん、
お偉い僧侶、各役員さんなど、かなり多くの人々が、この橋の上を
列になって歩いて行かれました。
その中でもなんと言っても、小さなお稚児さんが可愛かったです!
付き添っておられたお母様、おばあちゃまも綺麗なおべべを
着られていたので、それを見てるのも目の保養になりました(笑)

即成院 二十五菩薩お練供養と東福寺塔頭めぐり

いよいよ二十五菩薩の登場です。さすがに観音菩薩さんは、貫禄が
あります。お面も衣装も豪華です。その後に、普賢菩薩、文殊菩薩が続き、
次々といろんな楽器や道具を持った菩薩が登場します。
踊りを舞いながら進む菩薩さんもおられます。
100年ほど前の衣装もあるのでしょう、結構小柄な方なので、
中学生くらいがお面を被っているようです。
お面の「目」は、かなり小さい穴らしく前も見にくいのか、
しっかりと付き添いの方が手を取っておられます。

このお練り(=行列)は、本堂から地蔵堂へと3往復されます。
見学している私たちは、ただ行列を見ているだけなのかもしれませんが、
阿弥陀如来さんはここにいる人々を皆、極楽浄土に導いてくださるに
違いありません。今回は、本堂には入れませんでしたが、お堂の中の
「阿弥陀如来と二十五菩薩の極楽浄土の空間」をまだご覧になってない方は、
ぜひお越しになってご覧ください。
お寺の方が、詳しく説明してくださいますよ。

即成院 二十五菩薩お練供養と東福寺塔頭めぐり

じっくりと行事を堪能した後、東福寺方面へ。そして、ここでひとつめのサプライズ!
東福寺の塔頭・ 明暗寺 。傘をかぶって尺八を吹きながら
修行される虚無僧さんの「尺八根本道場」で有名だそうです。
こちらは拝観寺院ではありませんが、山門を一歩入ったところにある
「苔庭」が素晴らしい、と山村先生からのディープな案内です! 

自然に生え育ってできた苔庭はそんなに広くはないですが、ほんとに
美しかったです。これはほとんどの人が「知らなかった~」と感動!
東福寺に行くお楽しみが、またひとつ増えました。
(※明暗寺の場所は、東福寺北駐車場の東側です。東福寺の境内案内には、
院号の「喜慧院」と掲載されています。)

そして、次は 霊雲院 へ。
こちらには、「九山八海(くせんはっかい)の庭」と「臥雲の庭」の
素敵なお庭があります。「九山八海の庭」は、仏の住む世界は中央に
須弥山(しゅみせん)があって、九つの山と八つの海が取り囲むと
考えられていて、庭中央の遺愛石(=庭の中央にある珍しい形の石塔)
が須弥山、それを取り囲む白砂が九山八海をあらわしているそうです。

そして、「臥雲の庭」は、雲と水の美しさを砂であらわしている
モダンなお庭です。いずれのお庭も、近年になって重森三玲氏により
修復されたそうです。

即成院 二十五菩薩お練供養と東福寺塔頭めぐり

続いて、 東福寺 の境内を順次「伽藍」「山門」「東司」と説明を伺ってから、
最後の目的地・ 芬陀院 に到着です。こちらの南庭園は雪舟が作庭したと
伝えられ、通称・雪舟寺と言われています。
この鶴亀庭園の出来映えがあまりにも素晴らしく、亀島が夜になると
動き出した!寺の住職が雪舟にこの様を伝えたところ、
亀島が動かないように真ん中に大きな石を立てると、
動かなくなったとか。なんとも不思議なエピソードですね。

確かに亀島には、大きな石がどんっ!と、刺さっていました(笑)。
茶室「図南亭(となんてい)」に続く廊下の横は、重森三玲作庭の東庭
「鶴亀の庭」。ここでも重森三玲氏のお庭が拝見できました。

そして、ここでふたつめのサプライズ!お寺の奥様(?)のご好意から、
お茶とお菓子を頂きました。前日にお寺の法要があり、そのお下がり
ですが・・・・・・と、京都の有名なお菓子をたくさん振舞ってくださいました。
みんなで、ほっこりとするひとときを楽しませていただきました。
ありがとうございました!

今回のツアーで訪れた寺院は、ほぼらくたび文庫に掲載されています。
即成院は、『京の仏像NAVI 』に。東福寺・霊雲院・芬陀院は、
『京の庭NAVI 枯山水庭園編 』に。この寺院に訪れる際には、
ぜひらくたび文庫片手にお越しくださいね。
らくたび文庫を見ながらじっくりお庭を拝見すると、勉強になるし、
楽しさ倍増です!・・・・・・私、経験者です(笑)

年に一度の仏教行事に、個人で来るのもいいけれど、みんなで
ワイワイと言いながら見学するのって、ほんとうに楽しいですね。
またお祭りや、神事を見学するツアーを楽しみにしています。


文/らくたび会員 奥村成美様  写真/らくたび会員 坂田肇様



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Posted by らくたび  at 15:56 │Comments(0)東福寺~伏見稲荷エリア

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