2008年10月04日

秋祭りの先陣 北野天満宮のずいき祭と北野散策

秋祭りの先陣 北野天満宮のずいき祭と北野散策

今回の京都さんぽは、秋の実り五穀豊穣に感謝する天神さんの秋祭り
ずいき祭 の還幸祭をメインに北野方面の散策です。
JR山陰本線円町駅にて集合。今日の参加者は20名ほど。
久しぶりにこぢんまりとしたさんぽです。

秋祭りの先陣 北野天満宮のずいき祭と北野散策

駅から数分歩いたところでの最初の説明は紙屋川(かみやがわ)
です。平安京の西堀川にあたり、洛中洛外を分ける川。
当時はこの川のほとりで朝廷御用達の紙を漉いていたため、一般民衆が
この川を使うことは禁じられていました。
「禁川(きんせん)=天皇が使用される紙のみを漉く川」

この説明を受けていると、早速ずいき祭りの神輿巡行に遭遇!
ずいきをはじめ、たくさんのお野菜や乾物で飾り付けられたお神輿さんを
間近で見られて嬉しかったです!

秋祭りの先陣 北野天満宮のずいき祭と北野散策

その巡行が通り過ぎてから、 法輪寺(達磨寺) に到着。
起き上がり達磨堂には、諸願成就のために奉納された達磨8000体余が
納められています。お堂の中にずらーっと並んだ達磨と、
天井いっぱいに描かれた達磨天井図に圧倒されました。

この法輪寺は、達磨だけではなく、衆聖堂階上にある金色に輝く
「仏涅槃木像」や、先代のご住職が映画関係の方と親交があったことから
六百有余霊(最近でいうと、石原裕次郎さんや、美空ひばりさん)を祀る
貴寧磨殿(キネマ殿) などが安置されています。

そして本堂南庭も素晴らしい! 紅葉の木が庭の真ん中 に植えられており
これからの季節が楽しみですね。

秋祭りの先陣 北野天満宮のずいき祭と北野散策

菅原道真の乳母・多治比文子(たじひのあやこ)ゆかりの 文子天満宮 に到着。
多治比文子は、邸宅内に道真を祀る祠(ほこら)を建て、その後、道真の神霊は
北野天満宮に祀られました。このような歴史から、文子天満宮は、
北野天満宮の前身神社 として崇められています。
(京都市内には、何箇所かの文子天満宮があるそうです。)

京都市指定有形文化財に指定されている 奥渓(おくたに)家 へ。
こちらの初代は後水尾天皇の中宮東福門院の御典医を勤め、のちに
仁和寺門跡の御典医をも勤めた医家です。

玄関には「蘇命散」 の看板がかかり、御典医と薬販売の格式を伺わせる
貴重な昔の建物です。

秋祭りの先陣 北野天満宮のずいき祭と北野散策

次に訪れたのは、日蓮宗の本山・ 立本寺 。境内には公園もあり、
なんとものどかなお寺です。お寺の歴史や沿革の説明を伺ってから、
道路ひとつ隔てた墓地へ。

ここには、石田三成の家臣である、島左近のお墓があります。
「三成に過ぎたるものが2つあり。島の左近に佐和山の城」
といわれただけあって、その名と人望は天下に高かった。
関ヶ原合戦での堂々とした戦いっぷりは、敵をも恐れさせた!

戦国時代のお話になると、山村先生の口調はヒートアップします!
臨場感たっぷりです!! 

そして、こちらには二代目吉野太夫の夫、豪商・灰屋紹益
(はいやしょうえき)のお墓もあります。
紹益の遺言かどうかはわかりませんが、吉野太夫ゆかりの桜の木の下に
紹益のお墓があるというのが、なんともロマンチックな気がしました。

秋祭りの先陣 北野天満宮のずいき祭と北野散策

更にさんぽは続き、本門仏立宗・宥清寺、北野名物の長五郎餅本舗、
天皇家ゆかりの清和院を経て、 北野天満宮 に到着。

上七軒界隈をずいき祭り行列が巡行するまで時間があるので、
三光門や本殿・権現造の説明をしていただき、みんなで参拝をしました。

そして、この秋11月1日より公開されるもみじ苑辺りで「御土居」の
説明です。「御土居」は豊臣秀吉によって作られた洛中を囲む土塁で、
ヨーロッパで言うと城壁にあたるものです。
こちらの御土居は、先ほどの紙屋川を利用して高く積み上げられたものです。

昨年このもみじ苑に来ましたが、紅葉が素晴らしく綺麗でした。
天神さんの境内ではありますが、ちょっとした森の中にでも居るような、
自然の風情溢れる紅葉狩りが楽しめます!

秋祭りの先陣 北野天満宮のずいき祭と北野散策

さあ、時間になりました。いよいよお祭りの行列がやってきます!
上七軒辺りに行くと、かなりの人です。
それも大きなカメラを提げたカメラマンがいっぱい!
どうも、行列をお迎えされる舞妓さん、芸妓さんがお目当てらしいです。
すごい熱心ですね~。

4日間に渡るずいき祭のなかでも、この還幸祭は特別の意味を持ちます。
単に「巡行を終えた天神様が本社に御帰りになる」というだけでなく、
「おいでまつり」の別名が示すように
「大宰府で御隠れになった菅原道真公の御霊が神様として
初めて北野の地においでになる」という御鎮座の由来を回顧し、
再現するという意味もあるのです。

氏子区域の人々も、還幸祭の行われる4日には親類縁者を招いて
御馳走を作り、晴れ着をきて、行列に供奉したり、沿道から
御輿を拝んだりしたといいます。
年に一度、御鎮座の往時に思いを致し、御神霊を「お迎えする」
ことで氏神としての天神様を改めて意識し、感謝する心が
育まれるのです。(北野天満宮HPより引用)

秋祭りの先陣 北野天満宮のずいき祭と北野散策

見学するだけの私たちからすれば、行列を見てキレイ~、可愛い~
と簡単に思っているお祭りも、その歴史や謂われをちゃんと知ると、
人々(氏子さん達)の努力の賜物なんですね。

京都の三大祭ばかりが大きく取り上げられていますが、
各町で行われている祭り事は皆同様に、それに従事する人々に
とっては大切なことなんです。
あらゆる京都の行事を拝見する際には、今までとは違う目線で
楽しみたいと思いました。


文/らくたび会員 奥村成美様  写真/らくたび会員 鴨田一美様



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Posted by らくたび  at 15:35 │Comments(0)西陣~北野エリア

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